英、政権交代に暗雲 野党ナンバー2に違法献金疑惑
【ロンドン=土佐茂生】
英国野党・保守党のナンバー2で「影の財務相」であるオズボーン議員(37)が、
ロシアの大富豪に違法な政治献金を依頼した、とのスキャンダルが持ち上がり、
次の選挙で政権交代を目指す保守党を揺るがしている。
英タイムズ紙などによると、ロシアのアルミ製造会社経営者、オレグ・デリパスカ
氏が今年8月、ギリシャのコルフ島で、所有する豪華ヨットにオズボーン氏や
保守党資金調達責任者を招待。そこでオズボーン氏側が5万ポンドの献金を依頼した。
英国では外国人の献金は違法で、デリパスカ氏が持つ英系企業を通じた方法などを
検討したという。
引き合わせ役となった名門ロスチャイルド家の御曹司ナサニエル・ロスチャイルド
氏や、当時欧州委員会の通商担当委員だったマンデルソン英ビジネス・企業・規制
改革相(労働党)も同乗。密談には加わっていないが、内容は漏れ伝わっていたらしい。
疑惑報道に対してオズボーン氏は「デリパスカ氏が献金を申し出て、我々は断った」
と否定、デリパスカ氏は「献金に興味があったのはオズボーン氏」と反論、真相は
はっきりしない。
オズボーン氏はキャメロン党首とともに保守党若返りの代表格。「キャメロン氏の
次の首相」と期待されていた。27日に「献金の会話に加わったこと自体が過ち
だった」と謝罪し、幕引きを図っているが、評判は急降下中だ。
2008年10月30日1時42分 朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/1028/TKY200810280349.html