エジプトがパレスチナ和解案作成 PLO局長明かす
2008年10月24日10時24分
来日しているパレスチナ解放機構(PLO)のエレカット交渉局長は23日、
東京都内で朝日新聞記者との会見に応じ、穏健派ファタハとイスラム過激派ハマスの和解をめぐり、
仲介役のエジプト政府が統一自治政府の樹立などを柱とする和解草案を示して調整を進めていることを明らかにした。
同氏によると、和解草案は
(1)パレスチナ全派が受け入れる形の自治政府を樹立
(2)自治政府議長選を早期に実施
(3)新自治政府はPLOが担ってきた中東和平交渉を受け入れる
(4)選出された議長が和平交渉の全権を担う
――などを基本線にしている。エジプトは来月、ファタハとハマスを含む各派を集めた会議でこの草案を協議する。
パレスチナ自治区は、ファタハがヨルダン川西岸、ハマスがガザを実効支配する分裂状態になっている。
ファタハは、ハマスにガザ支配の放棄を要求しており、合意には難航も予想される。
同氏は、草案について
「良い印象を持っている。仲介がうまくいくことを望んでいる」と前向きな見方を示す一方、
ハマス側が「いくつかの点で留保をつけているようだ」と述べた。
イスラエルとの和平交渉は、93年の暫定自治宣言(オスロ合意)に基づく自治政府樹立後もPLOが独占的に担ってきた。
ハマスと激しく対立するイスラエル側が応じるかなど不透明な要素も大きい。
同氏は、23日まで東京で開かれたイスラエルとの第4回信頼醸成会議に出席するため来日した。(玉川透)
asahi.com
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