【外信コラム】イタリア便り 122億円の夢
こんなに不景気になると、限られた月収で生活する庶民の夢が宝くじに集中する
のは仕方がない。事実、いまイタリア国民全体の夢をかき立てているのは
宝くじの一種「スーペルエナロット」だ。
その賞金は、18日夜の抽選でもし的中者が1人だけならば、イタリアの宝くじ
史上最高額のなんと9100万ユーロ(約122億円)と予想されていた。
このくじは、1から90までの数字の中から6つの数字を選ぶだけの簡単なもので、
毎週3回、火、木、土曜の夜に抽選される。1枚の用紙に6つの数字を2通り
書き込むことができる最低額の用紙1枚が、1ユーロ(約135円)と手軽な
金額である。もちろん組み合わせはいくらでもできるが、それだけ金額も増える。
今年は過去9カ月間も6数字を的中させた者が出なかった。このため抽選のたびに
的中者に支払われるべき賞金が積もりに積もって、122億円という大きな額に
なったわけだ。
90の数字から6つの数字を選んで的中させる確率は、数学的にいうと
「6億2200万分の1」だそうだ。天文学的な確率で的中者なんて出っこないと
思うと、決してそうではない。これまでに何人も億万長者が出ているから不思議である。
果たして、18日の夜は122億円を手にした幸運な者が出たのだろうか。
それとも、さらに賞金額が増えたのだろうか。
2008.10.19 02:56 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/081019/erp0810190256002-n1.htm