刑務所内に“高級レストラン”、受刑者の更生目指す-英国
英国南東部サリー州の刑務所内に“高級レストラン”が開店する―鉄格子で閉ざされた
レストランに入店するためには、厳しい身体検査を受けることになるようだ。
英紙デーリー・メール(電子版)が伝えた。
同州ハイ・ダウン刑務所内に来年開店する「ザ・クリンク」。調理を担当する受刑者
たちは、ほかの受刑者をはじめ、刑務所職員や面会者のために1000食分の食事を調理する。
さらには、1日限定80人のレストラン来店客のために4品のコース料理を提供することに
なるという。
コース料理の料金は15ポンド(約2600円)。メニューには「マトウダイのムニエル」、
「鶏肉のポーピエット、ホウレンソウのムースリン添え」、「ターボットのロースト、
ソラマメとパンチェッタ添え」、「ラベンダー風味のマスカルポーネと綿菓子」などがあり、
また食材には刑務所内の温室や畑で栽培された有機野菜が使用されるという。
「ザ・クリンク」の生みの親は、ロンドンの高級フランス料理店「ミラベル」でシェフを
務めていたAlberto Crisci氏。11年前から同刑務所内の調理場を管理している。
「“クリンク”とは鎖を断ちきる音のことです。受刑者たちが鎖を断ちきり、第二の
人生を歩めるようにとの願いを込めてこの店名を選びました」とCrisci氏は語る。
同刑務所のピーター・ドーソン所長はレストランの開店に向け、30万ポンド(約5200万円)
の予算を割り当てている。「受刑者は客のために調理したり給仕したりするたびに、
更生への道を閉ざす偏見や無関心を払しょくしていくのです」とドーソン所長は説明する。
このプロジェクトを通じて、年間300人以上の受刑者が飲食業関連の資格を獲得すると
期待されており、出所後の就職に役立つものと見込まれている。
2008年10月17日12時00分 / 提供:Web-Tab
http://news.livedoor.com/article/detail/3862722/