★与野党合意で政治的ポスターを一斉撤去 ベイルート
ベイルートの街角からポスターが消えた??。レバノン内戦時代から数十年間、不安定な政情を
象徴するように路上にあふれていた宗教、政治指導者らの顔写真やスローガンが、今月初め、
一斉に撤去された。今夏発足した挙国一致内閣の下、与野党が同市内での「ポスター停戦」で
合意した。
壁や電柱のポスターが一掃された同市内の大通りでは、商店主らが「これで争いの種がひとつ
減る」「ほっとした」と、安どの表情を見せる。この通りでは今年、反シリア派のハリリ元首相らの
ポスターを何者かが破り取ったことがきっかけとなって暴力事件が発生、数人が負傷した。同国
北部の村では先月、キリスト教の対立宗派同士の間で、政治的スローガンの横断幕をめぐる
銃撃戦が起き、2人が死亡している。
レバノンでは内戦時代、各勢力が競って、エジプトのナセル大統領やシリアのアサド大統領、
パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長ら、当時の指導者のポスターを掲げた。やがて、
対立が「反シリアのイスラム教スンニ派」対「親シリアのシーア派」に軸を移すと、ハリリ元首相や
サウジアラビアのアブドラ国王、シーア派民兵組織ヒズボラの指導者ナスララ師やイラン革命の
指導者ホメイニ師の巨大なポスターが目につくようになった。06年以来、スンニ派中心の与党勢力と
シーア派中心の野党勢力の対立は激化の一途をたどり、ベイルート市内では、こうしたポスターの
数が商業広告の数をはるかにしのぐ状態が日常化していた。
ポスターが撤去され、壁の落書きも消されて、市内の景観は一変した。ハリリ元首相のポスターが
あった壁には今、代わりに「イスラム教徒同士の争いにノー、団結にイエスを」というスローガンが
躍る。与野党はさらに、同市郊外や空港に続く道路沿いなどでも同様の撤去作戦を実施しようと、
交渉を続けている。
ただ、次期総選挙を数カ月後にひかえ、対立再燃の可能性を指摘する声も根強い。街角から消えた
ポスターも、商店や民家の中には堂々と掲げられている。ある食料品店の店主は、「人々の心の
中にある忠誠心に変わりはない。それが路上にあふれ出て、暴力につながる事態をいかに避けるかが
問題だ」と強調した。
ハリリ元首相の巨大ポスターを撤去する与党メンバー=9月、ベイルート市内で
http://www.cnn.co.jp/world/images/CNN200810130018.jpg 2008.10.13 Web posted at: 19:09 JST Updated - AP
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200810130019.html