残酷さが売りのリアリティー番組、放送開始前から批判の声続出-英国 RSS
古代ローマの剣闘やスペインの闘牛に匹敵する“残酷さ”を売り物にした
リアリティー番組『Unbreakable(壊れないの意)』が、英国で 7日から放送開始される
―番組のモットーは「苦痛は名誉、苦痛は誇り、そして苦痛を見るのは最高」。
しかし番組の放送開始を目前にして、放送局のチャンネル5には「娯楽を通り越して、
サディズムの域に及んでいる」との批判が相次いでいるという。英紙デーリー・メールが伝えた。
『Unbreakable』の参加者らは、生き埋めにされたり、ガスの充満したテントに閉じ込められたり、
ピラニアが群がる川を歩いて渡ったり、次々と過酷な状況を体験する。また、米中央情報局(CIA)
がテロ容疑者を対象に行っているとされる「水責めの拷問」や、参加者が手足を縛られた状態で
水深約4.5メートルのタンクに放りこまれる場面もあるという。
番組にはミュージシャンや女性バウンサー(20)、パーソナル・トレーナーなど8人が参加した。
撮影は、初日から参加者の一人がけいれんを起こすというハプニングに見舞われた。
さらに別の参加者も低木の茂みへと逃げこみ、最終的に追跡犬に発見される騒ぎが起きたという。
番組の撮影について、司会を務める冒険家のベネディクト・アレン氏も、「参加者の身の安全が心配」
と語る。「もちろん誰1人として死なせるわけにはいきません。でも撮影中は、本気で心配になることが
たびたびあります。例えば、初日には南米ガイアナのジャングルで参加者の1人がけいれんを
起こして倒れました。幸先が悪いですよ」。
一方、番組制作側は慌てるそぶりを見せていない。チャンネル5のスポークスマンは「撮影を始める
前から、参加者たちは自分がどのような状況に置かれるのかを十分心得ています。すべての“苦行”は
専門家の指導の下で行われますし、参加者の心身の検査も事前に実施しています」とコメントしている。
それでも「番組の内容は受け入れがたい」という批判は収まりそうにない。下院の文化・メディア
・スポーツ特別委員会で委員長を務める保守党のジョン・ウィッティングデール議員は、「この手の
番組では、まるで拷問のような場面を“娯楽”と称して放送しています。どんどん過激になって、
最後には参加者が電気ショックを受けるなんてことにもなりかねません。放送内容には限度が設けら
れるべきです」と語っている。
2008-10-08 12:00:34 WEB-TAB
http://www.web-tab.jp/article/4589