石油援助で“中南米の盟主” ベネズエラ大統領、米包囲網
南米ベネズエラのチャベス大統領は、石油を低価格で提供することで中南米、カリブ海の
国々への影響力を拡大し、米国への包囲網を築く考えだ。記録的な原油価格の高騰が、
その効果を一層強めている。
石油援助は、チャベス大統領が05年に構築した中南米・カリブ海地域の地域同盟
「ペトロカリベ」の参加国である18カ国が対象。経済的に貧しい国に安価な原油の
販売と低金利融資を提供する。チャベス大統領は石油援助について、原油価格の高騰から
貧しい国々を守るためだと主張するが、対象国は米国の同盟国でもある。
7月のペトロカリベの首脳会談の場で、チャベス大統領は燃料や食品など商品価格高騰に
悩まされている参加国がベネズエラから原油を購入すれば、金利1%で融資が受けられると
説明。また、原油購入後90日間に30%の代金を支払えば、残りの代金は25年以内に
支払えばいいとする特典も与えた。
さらにチャベス大統領は、物品やサービスでの支払いも一定の条件付きで認めると発言。
これを受け、8月にはベネズエラ国民にカリブ海のドミニカ共和国への旅行パッケージを
提供することで、ドミニカ共和国の石油代金支払いの一部に充てることを認めると提案した。
中米コスタリカのアリアス大統領は9月26日、ペトロカリベに参加する意思を表明した。
また、長年米国との同盟関係を築いており、米軍の駐在を認めている中米の国、ホンジュラス
も1月にベネズエラからの恩恵を受け始めた。同国のセラヤ大統領は、米国を「帝国主義」と
批判し、社会主義革命家を自称するチャベス大統領の経済モデルを称賛した。
チャベス大統領と関係を深める各国の指導者たちは、チャベス大統領の階級闘争や反米的な
発言を模倣している。同大統領に共感する南米ボリビアのモラレス大統領は、ベネズエラと
同様に米国の外交使節団を国外に追放した。
米ブッシュ大統領は、イラク戦争にかかりきりで、2000年の大統領選挙の際に公約した
中米地域への配慮をしていない状況。中南米地域の国々がチャベス大統領の後に続いて
イランやロシアに接近するにつれ、米国は中米地域との貿易関係、エネルギープロジェクト、
麻薬の流通規制に関する事柄が後退する危険が高まりそうだ。
サンケイビジネスアイ
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200810070046a.nwc 関連スレ
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