「自家製潜水艇を使った麻薬密輸」が急増
ラテンアメリカの麻薬密輸業者たちは近ごろ、東太平洋における米軍の監視の目を
かいくぐるため、自家製の小型潜水艇を使用することが多くなっている。
米沿岸警備隊が発見した小型潜水艇の数は、2001年から2007年の間は23隻だった。
ところが、沿岸警備隊のCameron Naron中佐によると、2008年に入ってこの数が
急増しており、すでに60隻以上にのぼっているという。
Naron中佐は、毎週2、3隻がコロンビアから米国に向かっており、1隻あたり10トンもの
麻薬を積んでいると推測している。
「かつて、密輸の手段としては非実用的で危険だとみなされていた」小型潜水艇が、
鋼鉄とファイバーグラスでできた船体に、商業船も顔負けの無線機器を搭載し、急速に
性能を高めている、とNaron中佐は話す。
沿岸警備隊では、潜水艇は反政府組織が支配するコロンビアのジャングルで建造されて
いると考えているが、設計がどこで行なわれているのかはNaron中佐にもわからない。
9月30日午前(米国時間)に行なわれた米国防総省主催のテレビ会議で、Naron中佐は
「もし情報があれば、ぜひわれわれに知らせてほしい」と参加者に呼びかけた。
[別の英文記事によると、イスラム過激派組織『ヒズボラ』が資金獲得のために潜水艇を
建造・麻薬を密輸しているという見方があり、米海軍が南米海域の監視を強化しているという]
小型潜水艇の阻止は「危険な仕事だ」とNaron中佐は言う。9月13日、米海軍の哨戒機が
グアテマラ沖で、全長約4.6メートルの麻薬密輸潜水艇を発見。海軍のフリゲート艦が、
沿岸警備隊の乗船チームを調査に送り込んだ。
潜水艇の平らな船体に上がり昇降口をノックすると、「驚いた麻薬密輸業者は隊員たちを
海へ落とそうと、(潜水艇の)エンジンを急に減速させた」とNaron 中佐は振り返る。
「隊員たちは危うく(潜水艇から)振り落とされて」プロペラに巻き込まれそうになり、
「排気管にしがみついた」という。[これらの潜水艇は、完全に潜水するタイプではなく、
半分だけ潜水するタイプである模様]
潜水艇の発見は主に海軍の哨戒機の仕事だが、時おり海軍や沿岸警備隊の船が「運よく」
出くわすこともあるとNaron中佐は言う。
潜水艇を使った麻薬密輸の取り締まりを強化するため、米国議会は9月29日夜、
「国籍のない」小型潜水艇の国際航海を禁じる法案を可決した。
2008年10月07日11時41分 / 提供:WIRED VISION
http://news.livedoor.com/article/detail/3848970/ (画像)
http://wiredvision.jp/news/images/min500x500/200810/2008100720-1.jpg