インド:テロ続発 イスラム標的、宗教対立扇動か
【ニューデリー栗田慎一】
インド東部トリプラ州の州都アガルタラで1日夜、市場のゴミ箱などに仕掛けられた爆弾が約40分の間
に次々と爆発。現地警察によると、4カ所で爆発が確認され、少なくとも2人が死亡、50人以上が負傷し
た。死者は増える見込み。同国では夏以降、爆弾テロが多発する異常事態が続き、政府は、イスラム教
徒とヒンズー教徒の対立をあおる狙いが事件の背後にあるとみて、情報機関などに本格調査を命じた。
現場はバングラデシュ国境で、住人のほとんどはイスラム教徒。2日にはイスラム教の断食月(ラマダン)
明けの祝賀祭(イード)が始まり、市場は食事や買い物を楽しむ人々でにぎわっていた。
使われた爆弾は威力の小さい手製で、乾電池を動力源とした時限装置が使われていた。これは昨年11
月以降、都市部で続く爆弾テロと同じ手口だ。うち▽ウッタルプラデシュ州▽ジャイプール州▽バンガロ
ール▽グジャラート州▽ニューデリーで起きた計5事件は、被害者のほとんどがヒンズー教徒で、バング
ラデシュなどを拠点とするイスラム過激派組織の連絡団体「インディアン・ムジャヒディン」(IM)が犯行声
明を出した。
しかし、9月以降、今度はイスラム教徒を狙ったとみられる爆破テロ事件が増加。これらはいずれも犯行
声明が出ていない。
治安当局には、これらについても、多数派ヒンズー教徒と少数派イスラム教徒の対立をあおるためIMが
起こしたとの見方が一部にある。ただ、IMは組織の実態が不明で、捜査は難航している。
◆インドでの08年の爆弾テロと関連事件◆
5月13日 北部ジャイプールでヒンズー教の寺院前など7カ所に置かれた爆弾が爆発。20人死亡
7月25日 南部バンガロールの路上で爆弾7個が爆発。2人死亡
7月26日 西部グジャラート州アーメダバードの病院などで爆弾16個が爆発。16人死亡
9月13日 ニューデリーの市場など3カ所で爆弾計5個が爆発。15人死亡
19日 警察がニューデリー東部の民家を急襲。イスラム教徒の男性2人を射殺
27日 ニューデリー南部の市場で爆弾1個が爆発。2人死亡
29日 グジャラート州東部のサバルカタ地区の市場で爆弾1個が爆発。2人死亡
29日 西部マハラシュトラ州マレガオンのモスク近くで爆発。3人死亡
10月1日 トリプラ州アガルタラの市場付近で連続爆発。2人が死亡
■ことば
◇インドの宗教対立
ヒンズー教が人口約11億人の8割を占め、残りがイスラム教(14%)▽キリスト教(2・5%)▽シー
ク教(2%)▽仏教(1%)−−などとなっている。特にヒンズー教とイスラム教の国内2大宗教は、イン
ド国内のヒンズー原理主義政党、インドからの分離独立勢力、隣国パキスタンなどの関与で、信徒間
の暴力的対立があおられてきた歴史がある。
ソース (毎日新聞 2008年10月2日 東京夕刊)
http://mainichi.jp/select/world/news/20081002dde007030004000c.html 関連スレ
【インド】今度は北東部で爆発、2人死亡、100人けが テロの可能性も [10/2]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1222907314/l50 【インド】ヒンドゥー教徒とキリスト教徒の衝突、3日間で11人死亡〜東部オリッサ州(8/28)
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1220270739/l50 【インド】 グジャラート州・マハラシュトラ州で爆発事件、少なくとも5人死亡・80人負傷 [08/09/30]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1222799706/l50