反米左派に追い風、憲法改正案が承認へ―エクアドル
【サンパウロ29日綾村悟】南米エクアドルで28日、大統領再選や中央集権化などを盛り込んだ憲法改正案の是非を問う
国民投票が実施され、出口調査と初期の開票結果などから改憲賛成派が多数を占めることが確実となった。
現地からの報道によると、民間機関による出口調査は憲法改正案への賛成が66%から70%と過半数を大きく超えており、
同国選管による初期段階での開票結果(開票率5%)においても、憲法改正への賛成は65%を超えている。
新憲法案には、大統領の2期8年までの再選可能(これまでは1期4年)や大統領への議会解散権付与に加えて石油輸出
による収入の政府管理なども含まれている。
出口調査の結果などを受けて、コレア大統領は28日夜(日本時間29日朝)、支持者の前で「歴史的な勝利だ」「市民革命
の前進だ」と勝利宣言を行った。新憲法下では、石油収入利用などに対する大統領権限が強化される。コレア大統領がこ
れを貧困層支援に回すことは間違いなく、高い支持率を背景に強気の政治姿勢を打ち出してくることは間違いない。単純な
比較は出来ないが、コレア大統領が2006年の大統領選挙で当選した際の得票率は57%、今回の国民投票での賛成票
が65%から70%に達することになると、同政権にとって大きな追い風となる。
コレア大統領は、すでに来年2月の大統領選挙に出馬する意向を示しており、再選されればその勢いをかり、更なる中央集
権化などを目指して新憲法を制定するための制憲議会選挙なども視野に入れている。
野党や反大統領派は、憲法改正は中央銀行の自治権剥奪が含まれるなど中央集権化や独裁につながると強く批判している
が、来年の大統領選挙が野党にとって厳しい戦いになることは避けられない。
コレア大統領は、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領やボリビアのエボ・モラレス大統領などと並び南米における反米左派の
代表格。先日のボリビア政治混乱においても、ボリビア政府の米大使追放を擁護、米政府を批判していた。
ただし、コレア大統領はベネズエラやボリビアのようにエネルギーや通信会社などの国有化へは踏み切っておらず、ロシア
や中国、エクアドル内に軍事基地がある米国との関係なども含めて今後の成り行きが注目される。
また、エクアドルでの今回の憲法改正案承認は、今年12月に同じく憲法改正の是非を問う国民投票が実施されるボリビア
への影響も少なくないものとみられる。
2008/9/29 22:56
ソース(世界日報)
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/080929-225607.html 関連スレ
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http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1222656455/