■ フィンランドの学校の銃撃事件でWeb監視の強化論が浮上
◆ YouTubeの犯行予告ビデオで通報を受けた警察が前日に事情聴取を行っていた
にもかかわらず、事件は起きてしまった。(ロイター)
フィンランドの学校で9月23日に起きた銃撃事件を受け、インターネットの取り締まり強化が
検討課題として提起されている。犯人がこの事件で10人を殺害する前に、自身が登場する
犯行予告とみられるビデオをWebに投稿していたと報じられたためだ。
学生だったマッティ・ジュハニ・サーリ容疑者(22)が銃撃後に自殺したこの事件は、2007年
にフィンランドの別の学校で起きた銃撃事件とよく似ている。この事件の犯人もインターネット
動画共有サイトのYouTubeでメッセージを公開していた。
警察はサーリ容疑者の投稿ビデオについて通報を受け、犯行前日の22日には同容疑者へ
の事情聴取も行っていた。サーリ容疑者が拘留されなかったのは、投稿ビデオが「直接誰か
を脅すものではなかった」ためだと、フィンランドの警察トップは語った。このことは、インター
ネットに投稿されたコンテンツから現実の危険を判断する難しさを浮き彫りにしている。
フィンランドのマッティ・バンハネン首相は、当局は、市民をより安全に保護するために何が
できるか、例えば、インターネット監視のあり方の変更や銃規制法の強化などを検討しなけ
ればならないと述べた。タルヤ・ハロネン大統領はフィンランドの国営放送YLE(フィンランド
放送協会)に対し、次のように語った。「インターネットとYouTubeのフォーラムは、別の惑星
にあるわけではない。我々の世界の一部であり、我々大人は、そこで何が起こっているかを
チェックし、危険を発見し、安全を築く責任がある」
この1カ月に「Mr. Saar」の名前でYouTubeに投稿された幾つかのビデオは、暗い色の服を
着た男が射撃練習場で銃を撃つというものだった。これらは、銃撃事件の発生後すぐに米
Google傘下のYouTubeによって削除された。別のWebサイトに投稿された1本のビデオでは、
今回の容疑者と思われる人物が直接カメラに向かって、「次に死ぬのはお前だ」と告げ、地面
に置いたカメラに銃を発射した。別の場面では、この男は画面に映っていない標的に発砲し、
カメラの方を向いて「さよなら」と言ってから歩いて去っていった。
フィンランド警察は、入手済みのサーリ容疑者のインターネットファイルについて詳細を明らか
にしておらず、22日の事情聴取についても、「ベテラン警官」が行ったと述べるにとどまっている。
(一旦切ります、続きは
>>2くらい)
* ITmedia News (2008/09/25-08:17 配信ロイター)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/25/news033.html * 関連
【フィンランド】ユーチューブに犯行予告! 男子学生が銃乱射、学生ら10人死亡[09/24]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1222189344/ 【フィンランド】職業訓練学校で銃撃 数人死亡、犯人は自殺[08/09/23]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1222165765/
(
>>1から)
◆ 大規模なメッセージ発信
犯罪学者は、動画共有サイトのおかげで、殺人者がかつてない規模でメッセージを発信する
ことに成功してしまっていると語る。「この種のネットワーキングは、インターネット時代以前は
不可能だった」と、犯罪学の重鎮で、フィンランド法務大臣の顧問を務めるアーン・キヌネン氏
はReutersの取材に対して語った。
「インターネットは、この手の行動、そしてゆがんだ現実認識に敬意を表する人が大勢いると
いう印象を生み出してしまっている」(同氏)
2007年にも大量殺人に関連するビデオが広く注目された。米国のバージニア工科大学で銃
を乱射し、32人を殺害して自殺したチョ・スンヒ容疑者が、犯行声明のビデオを米放送局NBC
に郵送したからだ。
アナリストは、Webを監視して犯罪を未然に防ぐのは困難だと指摘している。犯行予告は漠然
としたものである場合が多く、いたずらによるものもいたるところで見られ、警察のリソースは
限られているからだ。キヌネン氏は、インターネット使用状況を含む身元調査を加味して、銃の
所持許可の審査を行ってはどうかと語った。
Googleは声明で、容疑者がYouTubeに投稿したビデオは、「脅迫や、暴力をあおる内容は一切
容認しないという当社のポリシー」に抵触していなかったと述べた。YouTubeは、1分ごとに13時
間分の新規コンテンツの投稿があるとしており、その削除は主に、不適切なビデオを発見した
ユーザーが同社に通報する「コミュニティーによる自警」方式を通じて得た情報に基づいて行っ
ている。サーリ容疑者のYouTubeプロフィールには、「Lovehetar」という別のYouTube投稿者へ
のリンクが含まれていた。この人物のプロフィールでは、興味の対象として連続殺人者、大量
殺人者、1999年の米国コロンバイン高校での銃乱射事件が挙げられていた。
(記事ココまで)