大量破壊兵器の開発計画を2003年に放棄したリビアは、
1980年代からいわゆる「核の闇市場」を通じてさまざまな形で核兵器の開発を目指していたことが、
IAEA=国際原子力機関の報告でわかりました。
リビアは、2003年、大量破壊兵器の開発計画を放棄し、国際社会と協力する姿勢に転換したことから、
IAEAがリビアの過去の核開発計画の検証を進め、12日、エルバラダイ事務局長が報告書を公表しました。
それによりますと、リビアは、核兵器の開発を目的に、1980年代以降、さまざまな資材や技術の獲得を図り、
1984年にはいわゆる「核の闇市場」にかかわっていたパキスタンのカーン博士と初めて接触し、
ウラン濃縮技術の獲得について交渉を始めていました。
そして、2000年にはL−1型と呼ばれる遠心分離機のテストに成功し、
2002年までにさらに質の高い材料を使った遠心分離機の部品や関連資材を13か国から入手していました。
また、1986年には、仲介者を通じて日本の企業から
ウラン鉱石を製錬する移動式のウラン転換装置の組み立て部品を入手しましたが、完成しなかったとしています。
リビアは、大量破壊兵器の開発計画を放棄して以来、国際社会との関係改善を進め、
今月5日にはアメリカの国務長官として55年ぶりにライス国務長官が訪問し、最高指導者のカダフィ大佐と会談しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/k10014096931000.html