【コラム】豊かな食糧輸入国、新たな安保戦略に−FINANCIAL TIMES [9/8]
1 :
◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7cφ ★:
★豊かな食糧輸入国、安保戦略に 肥沃な農地を求めて国外へ
サウジアラビアなどの豊かな食糧輸入国が新たな安保戦略に乗り出した。
肥沃な農地を国外に求め、安定供給源を確保しようとしているのだ。
一部の途上国は農業投資を歓迎するが、道義上の懸念も広がっている。
サウジアラビアには永続的な川や湖がない。雨も少なく、穀物を栽培するには大金を投じて地下水を
吸い上げる必要がある。乳牛は扇風機や噴霧器で冷やしておかなければならない。つまり誰の頭にも、
サウジは大規模農業を想起させる国ではないのだ。
だが、そんな認識も変わるかもしれない。石油高騰で潤い、食糧安全保障を危惧するサウジでは、肥沃な
土地を求めて政府高官がスーダンやウクライナ、パキスタン、タイに飛んでいる。国外に大型プロジェクトを
立ち上げ、民間企業を巻き込んでトウモロコシや小麦、米を生産する狙いだ。各プロジェクトの規模は
10万ヘクタールを超える見通しで、穀物の大半がサウジに輸出されることになるという。
■カザフスタンやスーダンにも
サウジは特に規模が大きいケースだが、ほかの国の間でも、こうしたプロジェクトへの関心が高まっている。
アラブ首長国連邦(UAE)はカザフスタンとスーダンに目をつけており、リビアはウクライナでの農地リースを
目論んでいる。広大な土地はあるが水が不足している中国も東南アジアへの投資を検討している。「これは
世界的な食糧危機の中の新たなトレンドだ」と国際食糧政策機構(IFPRI)のヨアヒム・フォン・ブラウン所長は
言う。
食糧輸入国は輸出国による貿易制限(インドによる米の輸出制限やウクライナによる小麦の出荷停止)に
見舞われ、食糧を国際市場に依存するリスクを思い知らされた。その結果、多くの国で1970年代以来初めて、
食糧安保が最大の政治課題となっている。
「今の食糧危機を契機に、あらゆる国が農産物の確保に奔走することになった」とサウジのアブドラ・
アルオバイド農務副大臣は言う。フォン・ブラウン氏は国際食糧市場への信認が揺らいでいると指摘し、
「輸入国は農産物を輸出できる国に投資すべきだということに気づいた」と話す。
世界の食糧消費が拡大する中、人口が増加するサウジなどでは食糧確保が年々難しくなっている。穀物
価格は再高値から下げたとはいえ、まだ過去10年間の平均値の3倍の水準だ。
耕作用地と水が潤沢だが資本を持たない国にとっても、こうしたプロジェクトは理にかなう。ウクライナは
肥沃な土地と豊富な雨水に恵まれているにもかかわらず、小麦農場の収穫量は1ヘクタール当たり
3000kg足らずと、米国の平均値約6500kgを大きく下回る。だが、農機や肥料を増やし、ハイテク技術を
駆使すれば状況は変わる。
国連国際農業開発基金(IFAD)のレナート・ボーゲ総裁は「長年、土地は石油や鉱物資源ほど重要でないと
考えられてきたが、今や水が潤沢で肥沃な土地は戦略資産になった」と言う。
一部の国は商機をつかもうと躍起だ。スーダンはアラブやアジアから10億ドル以上の農業投資を
呼び込みたい考えで、投資庁が総面積88万ヘクタールに及ぶ17の大型プロジェクトを売り込んでいる。
エチオピアのメレス・ゼナウィ首相も熱心で、8月初旬にサウジの視察団を受け入れた際、「喜んで農地を
提供する」と語ったという。
だが、こうした契約には問題もある。投資国は内々の2国間合意を通じて、投資受け入れ国が危機時に
導入する貿易制限を回避したいと考えているためだ。これは一部の政策立案者にとって悪夢のシナリオを
呼び覚ます。自国民が飢えるのをよそに農地から穀物が出荷されていく事態だ。
農業の自由貿易の支持派は、農業投資の目的が国際市場への供給拡大ではなく、食糧生産の所有権
確立に向かっていることを懸念している。米農務省のエド・シェーファー長官は「こうした投資が国際市場と
世界の貿易協定を回避するための手段だとしたら由々しき事態だ」と語っている。
>>2に続く
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080904/169605/
2 :
◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7cφ ★:2008/09/08(月) 09:40:29 ID:???
>>1の続き
■「ネオ植民地主義」の懸念も
欧州の農務高官らは、西アフリカなどの食糧不足の貧困国が最大の被害者になると指摘する。縮小する
国際市場での相場高騰の痛手をもろに受けるからだ。世界銀行や国連食糧農業機関(FAO)は当初、
世界的な供給拡大の手段として農業への外国投資を推奨したが、今では支持を控えている。
世銀のロバート・ゼーリック総裁はかつて国家主導の外国投資を「ウイン・ウインの取り組み」と呼んだ。
しかし、世銀広報は現在、「今の状況は一部途上国に恩恵をもたらすが、持続可能であるためには、土地の
購入やリースは投資受け入れ国の国民や地域社会といった関係者全員に恩恵をもたらさなければならない」と
話している。
当初は支持派だったFAOのジャック・ ディウフ事務局長も、「ネオ植民地主義」に警鐘を鳴らしている。
「(投資国と受け入れ国の間の)一部交渉は不平等な国際関係と短期的な商業本位の農業をもたらした」。
ボーゲ総裁も問題を認識し、「一部受け入れ国は貧困と飢餓に襲われており、農業投資の恩恵を自国民にも
配分することを担保する必要がある」と言う。スーダンの場合、国連世界食糧計画(WFP)が560万人の国民に
食糧を与えており、農業投資計画が予定通りに進めば、スーダンでは自国民が飢餓に苦しむ傍ら富裕国に
食糧を輸出するというあるまじき事態が発生する。
中国では、アフリカで天然資源を確保する中央政府の政策を支持した高官らも、農業投資のリスクを
認識しているようだ。中国政府はフィリピンとラオスで農業計画を模索し、アフリカでも小規模なプロジェクトを
手がけたが、大規模な海外農業投資には意欲を示していない。中国農務省で貿易を担当するシエ・グオリ氏は
言う。「大勢の人が飢えているアフリカから、穀物を中国に出荷できますか? リスクだけでなくコストも極めて
大きい」。
また、多くのアフリカ、中央アジア諸国は統治力が弱いため、国連関係者らは汚職も懸念し、農業投資に
関しても、石油や天然ガスの資源国に情報開示を義務づける「採取産業透明性イニシアティブ(EITI)」のような
枠組みが必要だと主張している。
しかし、EITIに似た枠組みを作るには何カ月もの交渉を要する。そして食糧不足に悩む国には時間がない。
西側の政府高官らがリスクや安全網を議論する間にも、次の作付け期の前に農地をリースしようと
奔走するのだ。
2008年9月8日 月曜日
Javier Blas and Andrew England
(FINANCIAL TIMES,(C) 2008 Aug.20,The Financial Times Limited)
3 :
七つの海の名無しさん:2008/09/08(月) 16:55:00 ID:VzgBAdLV
日本と競合しそうで嫌だなぁ
4 :
七つの海の名無しさん:2008/09/08(月) 21:05:28 ID:qDbfoV+M
日本もこれやれって。
日本国内じゃ限界があるんだから海外に農地をもとめろよ
ギアリンクスっていう先例ができたんだから
5 :
七つの海の名無しさん:2008/09/08(月) 21:43:44 ID:Fe6hmQ5p
いや、日本の農地は結構使われてない場所多いぞ。
十年くらい前に減反政策とかいう馬鹿な事やって当時の60%まで作付け面積減らしてる。
で、その場所は畑になる予定だったのだが、
土入れたり入れ替えが大変で殆どあしが生えて荒れ果ててる。
フル稼働させれば森林にいっさい手を出さずとも食物自給率は70%近くはまで余裕。
後継者が居ないのだよね。GHQが余計な事をしたばっかりに。
6 :
七つの海の名無しさん:2008/09/08(月) 22:18:18 ID:VbosqGLS
>>4 オーストラリアや中国といった反日国でやってるだろ日本も
安心だよ
いざとなったらブラジルの日系人に農業を教えてもらおう。
なんか情けない気もするけど・・・。
日本国内での生産効率は悲惨な事になってそうだな・・・
生きていくのに必要なのは味や見た目じゃなくてエネルギーなんだが・・・
9 :
七つの海の名無しさん:
エチオピアの農地はダメだ
あそこに手を出したところは大損こくな
日本も商社がブラジルの農地を結構買いこんでるよ