米紙ワシントン・ポストのウッドワード編集局次長が8日発売予定の新著で、
ブッシュ米政権がイラクのマリキ首相や側近らに対し、盗聴など大掛かりなスパイ活動を
していたと暴露していることが分かった。5日付の同紙が報じた。
ウッドワード氏はウォーターゲート事件の報道で当時のニクソン大統領を辞任に追い込み、
ブッシュ政権の内幕を描いた著書も複数出版している大物記者だけに、反響を呼びそうだ。
同紙が伝えた新著「内なる戦争 ホワイトハウス秘史―2006-08年」の抜粋によると、
ブッシュ大統領は各派の利害が錯綜(さくそう)するイラクを公平に統治し、宗派間抗争に
厳しく対処するため、マリキ首相の指導力に頼るようになった。
米側はそうした状況を背景にスパイ活動に着手、「首相が話すことは何でも知っている」
と豪語するまでに。しかし、イラク側に気付かれた場合には米国への信頼が失墜するため
「複数の米高官は(スパイ活動に)仰天していた」という。
新著は、イラクへの米軍増派を計画していたブッシュ大統領に、ライス国務長官が
「あなたはイラクの状況を明確に把握していない」と異議を唱えたことも紹介。
イラク政策をめぐる米政権内部の対立も描いている。(共同)
スポーツ報知 2008/09/05
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080905-OHT1T00273.htm