★イラン:大統領、来週にもトルコへ…核開発問題で進展か
イランのアフマディネジャド大統領が来週にもトルコを訪問する見通しになった。大統領府筋が
毎日新聞に明らかにした。トルコは最近、イラン核開発問題でイランと米国の仲介役を果たしており、
両国要人のトルコ往来が活発化。断交しているイランと米国がトルコを舞台に水面下で
接触しているとの観測も出ている。
大統領府筋によると、アフマディネジャド大統領の訪問は14日から2〜3日程度で最終調整中だ。
トルコのババジャン外相は先月17日、「核問題で仲介役を果たしたい」と表明。同日、米国の
ハドリー大統領補佐官(国家安全保障問題担当)がトルコを訪れ同外相らと会談した。一方、
イランのモッタキ外相は翌18日、トルコを訪問し、トルコ側要人と会談した。
同じく先月19日にはジュネーブで米欧などとイランが核問題で協議。同問題でイランとの対話を
拒否してきた米国は初めて政府高官(バーンズ国務次官)を派遣し、イランに一定の譲歩を示した。
トルコ紙ミリエトのバグル記者は「バーンズ国務次官の参加は、米欧側からトルコ経由でイラン側に
伝えられた」と説明する。協議後の20日、イラン側代表のジャリリ最高安全保障委員会事務局長は
帰途、トルコに立ち寄っている。
トルコは「核問題での仲介」を強調し、イラン、米両国要人がトルコで会談したとの情報はない。
だが、イラン政府系メディア関係者は「イランと米国は高官レベルで接触している」と証言する。
核問題ではイランがウラン濃縮活動の「拡大」を一定期間停止する代わりに米欧が新たな対イラン
制裁を控える「凍結対凍結」案をイランが受け入れるかどうかが当面の焦点だが、イラン側は
未回答だ。一方で米側はテヘランで利益代表部の開設を検討していると表明し、イラン側が
「歓迎」の意向を表明するなど、両国は前向きなシグナルを出し合っている。
http://mainichi.jp/select/world/mideast/news/20080809k0000m030121000c.html