【カイロ=村上大介】イスラム原理主義組織ハマスが、実効支配するパレスチナ自治区
ガザ地区で、アッバス自治政府議長率いる穏健派ファタハへの圧力を強めている。
ハマスは、先月末に起きた爆弾事件の容疑者拘束が目的として政治的意図を否定しているが、
2日には親ファタハ有力部族への攻撃で9人が死亡、90人以上が負傷し、この部族の180人が
イスラエル側に避難を求める事態へと発展。昨年6月にハマスがガザを武力制圧して以来の
深刻な衝突となった。
発端は、ハマスのメンバー5人と少女1人が死亡した先月25日の爆弾事件。
ハマスはファタハの仕業だと非難し、ガザ地区でファタハ支持者の大量拘束を始めるとともに、
ファタハ系の通信社や社会活動団体の事務所を次々を閉鎖。一時的拘束も含めると逮捕者は
数百人にのぼり、反発したファタハも自らの影響下にあるヨルダン川西岸でハマス活動家
数十人を拘束し、“逮捕合戦”に発展した。
パレスチナのラマタン通信などによると、ハマスは1日、ザカリヤ・アガ氏らガザの
ファタハ政治部門最高幹部数人を逮捕。2日朝からはハマス治安部隊がガザ市内の親ファタハ
有力部族に「容疑者引き渡し」を求めて攻撃を始め、ファタハ側6人とハマス側3人が死亡した。
このため、部族長を含む180人がイスラエルとの境界検問所に詰めかけ、イスラエル軍は
けが人の手当てなど「人道的配慮」から一時的な避難を認めた。しかし、エジプトが仲介
に入り、避難した部族の一部は3日、ガザ地区に戻り始めており、ハマスは戻った数十人を
逮捕した。ハマス報道官は、この部族がイスラエルに逃げようとしたのは事件に関与している
証拠だと非難した。
ハマスが昨年6月にガザ地区を武力制圧したことで、サウジアラビアの仲介で成立した
ハマスとファタハの挙国一致内閣は崩壊、ガザを支配するハマス自治政府と西岸の
ファタハ自治政府に分裂した。イスラエルはガザを完全封鎖してハマスに圧力を加えたが、
ハマスや他の武装組織はイスラエル領へのロケット弾攻撃で応じた。
ガザ住民の生活は極度の困窮状態に陥り、エジプトの仲介で今年6月半ば、イスラエルと
ハマスの停戦が発効。しかし、イスラエルとの武力衝突が一段落すると、たちどころに
ハマスとファタハの権力闘争が再燃し、パレスチナの内部対立の深刻さが浮き彫りになっている。
MSN産経ニュース 2008/08/03
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080803/mds0808032044008-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080803/mds0808032044008-n2.htm 依頼いただきました#749
>>5 日本で言えば、総選挙で民主党なり共産党が勝利したら、その時点で「実効支配」
になるのかということ。
あるいは、その政府が、自民党が武装蜂起したことに対して、騒擾罪なり内乱罪
なりで逮捕すれば「実効支配」になるのかということ。