【ウィーン中尾卓司】
米国の東欧ミサイル防衛 (MD) 計画に絡み、ミサイル配備が計画されているポーランドのトゥスク首相は4日、ワルシャワで記者会見し、米側の見返り提案を拒否する考えを明らかにした。ポーランドは米国に対し、対空防衛能力を高めるための軍事支援の増額を要求していた。
ポーランド側の今後の対応によっては、代替の配備先として急浮上しているリトアニア案が現実味を帯びる可能性もある。
トゥスク首相は会見で「ポーランドの安全保障能力を高める問題で満足できる結果を得られなかった」と説明。一方で「(米国との) 交渉を打ち切るつもりはない」と強調した。米国の新提案の内容は不明だが、数十億ドル規模のポーランド側の要求を満たす内容でないとみられる。
米国とポーランドの間で、地上配備型迎撃ミサイル10基の基地建設をめぐる実務レベル交渉は終わり、3日にはトゥスク首相がチェイニー米副大統領と40分間にわたり電話で協議していた。
ポーランドでは国民の半数が MD に反対だが、カチンスキ大統領は MD 推進の立場。ロシアも米国の MD 計画に猛反発しており、トゥスク首相は国内世論とロシアの双方に配慮したとみられる。
一方、MD 計画のレーダー基地を受け入れる予定のチェコでは、ライス米国務長官が近く訪問し、基地整備に関する協定に調印する見通しとなっている。
■ソース
東欧 MD 計画:ポーランド首相が米の見返り提案を拒否
http://mainichi.jp/select/world/news/20080705k0000e030020000c.html ■関連スレ
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http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1215087606/