【インド】グジャラート州でバイオ燃料の生産販売開始[06/21]
原油価格の高騰と石油不足に世界各国が直面する中、グジャラート州ナブサーリー県、
タルサド村で生産されているバイオ燃料が注目を集めている。
アディチャ・アロメディック・アンド・バイオエネルギーでは、"ラタンジョット・バナスパティ"という
植物の種子から油を製造している。同社のダーメンデュラ・パレク代表によれば、グジャラート州は
インドで"ラタンジョット"の栽培を開始した最初の州であり、バイオ燃料の本格的な生産に向けた
準備は順調に進んでいるという。
同氏によれば、2005年にグジャラート州との間で覚書を交わしたうえで、4,500万ルピー
(約1億1,250万円)をかけてバイオ燃料生産のための施設を建設している。
現在アディチャ社では、1日1,000リットルの油を生産しており、6月から1リットル39ルピー
(約97円)で販売を開始している。
パレク氏は、「1992年にバイオ燃料の生産を開始し、1998年に一部、商用化にこぎつけた。
現在、わが社の社員ら85家族がグジャラート州南部の2,000ヘクタールの畑でラタンジョットの
栽培に当たっている」と語った。
パレク氏は自社で生産しているバイオ燃料を自身の乗用車で9カ月前から使用しており、
その成果は目覚ましいものだと述べている。バイオ燃料を用いた乗用車の走行距離は平均で
1リットル21キロ、ディーゼル車であれば18キロで、最低限のエンジン・メンテナンスで走行し続けるという。
"ラタンジョット"の栽培は、確実に農家に収益をもたらすうえ、土壌がやせるのを防ぐことができると、
同氏は説明する。これは、ラタンジョットの葉に殺虫作用があり、強風から作物を守る効果もあるため。
一度の植林で50年から60年間収穫を見込むことができる。
原油から作られる通常のディーゼル燃料は再生不可能であるのに対し、バイオ燃料は再生可能な
エネルギー源。インドでの研究を開始したのは国家農業・農村開発銀行で、"ラタンジョット"については
これまでに中国の科学技術省らも実験を行っている。
パレク氏によれば、12年におよぶ研究の結果、燃料の生産が可能となり、今後は商業目的での生産が
本格的に開始されることになるという。
ソース インド新聞 06/21/2008 5:02:44 PM
http://indonews.jp/2008/06/post-571.html