★タリバーン宣伝戦術に陥った可能性も 村落占拠への反攻
アフガニスタン国防省当局者は18日、同国南部カンダハル州の複数の村落を15日夜に軍事
占領したとするイスラム強硬派勢力タリバーンの掃討作戦を17日夜から本格実施し、交戦などで
アフガン兵2人、タリバーン戦闘員少なくとも23人が死亡したと報告した。
ただ、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)の報道担当は、カンダハルから
北へ約20キロ離れたアルガンダブ地区の前線に展開するタリバーン軍の兵力について村民らの
証言による規模は見られず、タリバーンの宣伝戦術が先行した可能性もあるとした。
一部の村落は平定したとしている。作戦にはアフガン南部を管轄するISAFに参加するカナダ軍も
参加、空爆も実施した。アフガン軍の兵力規模は数千人の兵士、警官としている。作戦は3日間続く
見通し。
アフガン国防省は先に、最大400人のタリバーン戦闘員がアルガンダブ地区に潜伏していると
していた。AP通信によると、米国防総省当局者はこの数字を誇張と評した。
タリバーンが占拠したという村落数は5カ所から最大13カ所と錯綜している。カンダハル州の
政府によると、アフガン軍、カナダ軍の作戦開始に伴い数百人規模の住民がカンダハル市へ
避難したという。
作戦が実施されたアルガンダブ地区の刑務所では先に、タリバーンの襲撃があり数百人規模の
受刑者が逃亡している。タリバーン戦闘員も多数おり、アフガン当局が捜索しているが捕そくは
まだ少数とされている。
米同時多発テロの首謀者、国際テロ組織アルカイダの最高指導者オサマ・ビンラディン容疑者を
かくまっていたタリバーンは2001年の米軍事作戦で政権を追われたが、ここに来て戦力を整え、
イラク武装勢力の自爆テロを真似た手口を導入するなどして攻勢を加速させている。カンダハル州は
タリバーンの拠点の一つとなっている。
2008.06.18 Web posted at: 21:10 JST Updated - CNN/AP
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200806180036.html