★ポーランド極右政党がポドルスキとクローゼの国籍剥奪を主張
ポーランドの極右カトリック系小政党「ポーランド家族連盟」(LPR)が、ルーカス・ポドルスキと
ミルスラフ・クローゼのポーランド国籍剥奪を主張するコメントを発表した。
ユーロ(欧州選手権)2008初戦、対ドイツ戦(2−0、ドイツの勝利)で、2得点を挙げたのが
ポーランド出身のFWルーカス・ポドルスキだった、という皮肉な筋書きに複雑な心境のポーランド
国民も多いはずだ。そんな中、LPRの党員が、「他国の代表チームに在籍するポーランド出身
選手全員からポーランド国籍を剥奪すべき」と過激な意見を述べた。
元教育省副大臣でLPRの党員でもあるミロスラフ・オルツェチョフスキは、「ポーランド国籍の
パスポートを有するスポーツ選手が外国の代表チームの選手としてプレーすることは認められない」と、
明らかにユーロ初戦でドイツの勝利に貢献したポドルスキとミルスラフ・クローゼを意識した発言を
行った。
彼は自身のブログで次のような主張を展開している。「大統領は、このような事態が二度と
起こらないよう何らかの対策を講じ、二重国籍に関する法律を改正すべきだ。必要に迫られて
他国へ移民するポーランド人と、ほかの国の代表チームでプレーするスポーツ選手とでは
二重国籍保持の事情が異なる。法はこの二つの異なるケースをきちんと区別すべきだ」。ちなみに、
彼の所属するLPRはポーランドで最も過激な政党の一つだが、昨年10月の選挙で議席を失っている。
事実、ポドルスキの2ゴールとクローゼの好プレーは、ポーランドのファンにはかなりこたえたようだ。
「ポーランド出身選手2人が母国を倒した」という事実を思い出しては、絶望に頭を抱えるファンも
多いだろう。両選手は幼年時代にドイツへ渡っており、最初からドイツ代表チームでプレーしているが、
2人ともポーランド国籍も保持している。
一方、ポーランドメディアは、「ポーランドの憲法は、『いかなる国民も、本人が自発的に放棄しない
かぎり、国籍を守る権利を有する』と定めている」と、オルツェチョフスキの過激な発言を“趣味の悪い
冗談”程度の感覚で受けとめているようだ。もちろん、今のところクローゼとポドルスキが自発的に
ポーランド国籍を放棄することはなさそうだ。
(C)MARCA.COM 最終更新:6月12日12時30分
6月12日12時30分配信 スポーツナビ
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