★チコ湖はツングースカ大爆発によるセカンドインパクトクレーターの可能性、イタリア人研究者
イタリアのボローニャ大学の研究者を中心とした研究グループが行った現地調査の結果、1908年に
起きたツングースカ大爆発の爆心地地点の近くにあるチコ湖はツングースカ大爆発によるセカンド・
インパクト・クレーターの可能性が高いということが27日まで、研究グループの発表により明らかと
なった。
ツングースカ大爆発は1908年6月30日に起こった原因不明の爆発現象。ロシア革命の混乱期と
重なっていたためて、直ぐには調査は行われなかったが、爆発が行った直後にはロンドンなどでも
白夜のような現象が起きるなど、その影響はヨーロッパ全域に広がった。その後、爆発から10年近くが
経過した1927年になってからソ連科学アカデミーの調査団が現地入りをして調査した結果、広範囲に
渡って樹木がなぎ倒されていることが判明したが、隕石落下に特有のクレーターなどは見つからず、
ナゾの大爆発現象として現在まで様々な説が発表されてきた。
今回、イタリア人研究グループはツングースカ大爆発の爆心地から北西に6.8km離れた地点にある
チコ湖の現地調査を実施し、湖底の堆積物や湖の構造などを細密に調査。その結果、1年に
1センチの堆積物が蓄積されると仮定して、湖はツングースカ大爆発が起きた1908年頃に形成されたと
推測できること、ツングースカ大爆発以前の地図にはチコ湖は記載されておらず、1930年代に
入ってから始めてチコ湖が地図に登場したこと、チコ湖の形状は爆風によって形成されたボール状の
形をしており、この地方にある他の湖とは構造は異なることなどを挙げた上でチコ湖はツングースカ
大爆発の爆風によって形成されたセカンド・インパクト・クレーターという推論に達した。
今後、チコ湖の研究調査を進めることでツングースカ大爆発のより詳細な規模や原因などの特定に
つながる可能性もでてきた。
画像はチコ湖の標高マップ(b)と、水面よりも5メートル低い位置を基準面とした標高マップ(b)。
研究グループではチコ湖の形状はインパクト・クレーターとしてはいびつな形をしているが、
水面よりも5メートル低い位置を基準面として見た場合は、ほぼ正確な楕円を描き、クレーターの
特徴が現れると論じている。
http://www2.technobahn.com/images/g3Ss2Yi6a2xt2Xy43H6uK4d22X47o8p4Nxhz9To2Wg6r3kq8Zb87Z3pH4w27K44k2m7Csq.gif 【Technobahn 2008/5/28 18:29】
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200805281829&page=2