【ミャンマー】ヤンゴン駐在日本人のサイクロン被害ルポ [5/6]

★ヤンゴン　サイクロン被害ルポ

●５月２日午後4時
風と雨が強まる中、友人であるミャンマーの雑誌社「トゥデイ・メディア」のマイケル・リム社長から
電話で、「もうすぐサイクロンが上陸する」と知らされた。

CNNの天気情報で知った、という。彼は会社を閉め、スタッフを早めに帰宅させると話していた。

その時、私はヤンゴン市の中心部にあるパノラマホテルの３階に宿泊していた。このホテルは
サクラタワー（オフィスビル）、スコット市場から歩いて5分ほどの距離にある。

●同日午後4時30分
ホテルの従業員が神経質になり、騒ぎ出す。電話連絡など各自それぞれ情報を集めているが、
そのなかには、イラワジ川のデルタ地帯が壊滅的状況になっているというものもあった。
ミャンマーでは過去に、これほどの規模のサイクロンが直撃したことはなかったという。

●同日午後6時
暗雲が押し寄せ、空が黒くなる。生暖かい強風が吹いている。おそらく風速20キロから40キロだろうか。
店舗がシャッターを下ろし始める。この時点でも、サイクロンを警告する政府からの公式報道は
なかった。

●同日午後7時30分
交通機関はまだ機能しているが、南西からの風を伴った豪雨がすさまじい轟音を発している。私の
ホテルの宿泊者は大半が西欧人とインド人だが、サイクロンについての情報はほとんどない。彼らは
外出できないことに苛立つばかりであった。

●同日午後10時
CNNはまだサイクロンを大ニュースとしては扱っておらず、天気情報の中で触れているにすぎなかった。
部屋で本を読んでいた私は、屋外でガタガタする音を聞きながら、眠りに落ちた。

●５月３日午前6時15分
すさまじい風音と物音で、突然目が覚める。街は横殴りの豪雨に見舞われていた。樹木や街灯は
いつ倒れても不思議でないほど揺れている。

●同日午前6時20分
雷光が走り、雷鳴が轟く。風と雨はいっそう激しさを増してくる。テレビアンテナと衛星放送アンテナの
多くは折れ、なかには屋根ごと宙を舞っているものもある。街には瓦礫と木の枝が舞っている。
ものすごい音だ。

●同日午前7時
雲の隙間から一筋の日の光が確認できた。しかし、いまだに横殴りの豪雨は続いており、空は
灰色一色となっている。

●同日午前8時
強い雨が建物、屋根、樹木を襲う。道路は大洪水となっている。

●同日午前11時
雨と風に弱まる気配がない。私は何度も外出しようとしたが、その度にホテルのスタッフに制止された。
ホテルのドアにはカギが掛かっており、出入りができないようになっていた。

●同日午後12時
風の勢いが収まり始める。雲も明るさを増してくる。雨が依然として降り続いているが、雨音はかなり
小さくなってきた。道路ではミャンマー人が裸足で、ずぶ濡れになって歩いている。

>>2に続く
05/06 （written by　鶴岡光）
http://www.bangkokshuho.com/news.aspx?articleid=5092

>>1の続き

●同日午後1時30分
ヤンゴン市の機能が完全に麻痺しているのは明らかだった。倒壊した樹木で道路が分断されている。
断水となっているため、私は清潔な水を20ボトル注文した。一部で電気が使用できたが、ほとんどの
エリアが停電となった。

●同日午後2時30分
ようやく光が差す。スーレーパゴダ近くの市場に行ってみると、数軒の店はすでに営業していた。
しかし、すべての看板ははがれ、樹木の大半が倒壊している。道路はガラス、木の葉、瓦礫で
埋め尽くされている。

●同日午後6時
私はルームサービスを注文するが、卵とトリ肉がない。スタッフが「断水のため、シーツとタオルを
クリーニングできない」と謝罪する。電話が通じない。ホテルには自家発電装置が設置されているが、
スタッフは、この装置を稼動させるためのオイルが入手できなくなることを心配している。

●同日午後9時
ホテルの夜番スタッフがピックアップトラックをタクシー代わりに使用してやってきた。全員の家が
被害を受けていた。多くの家の屋根が吹き飛ばされ、家具や電化製品などが水に浸かってしまったと
いう。

●5月4日午前6時
ヤンゴン市内の大きな樹木は全てなぎ倒されていた。サクラタワーでは複数の窓ガラスが割れ、
道端にはガラスの破片が散乱していた。

●同日午前8時
ホテルでは、貯蔵庫に保存されていた食料を支給。麺類、パンはあるが、コメはない。

外国人宿泊客の表情は険しい。彼らは、全てのフライトがキャンセルとなったことにショックを
受けていた。

●同日午前11時
複数のレストランが再開した。サイクロンによって多くの鶏が死んだが、死んだその鶏の肉を
だしているレストランもある。だが、卵は１個300チャット（約30円）で、サイクロン発生前に比べて
300〜400％値上がりしている。

街中では、窓ガラスが割れた車を見かけた。ガソリンが不足しており、先週金曜日に1リットルあたり
1500チャットだったガソリンが6000チャット（約600円）で売られている。ペットボトルの水は
500チャットに値上がりしており、ビールより高い。ミャンマーでは工場労働者の平均月収は
2万〜3万チャット（2000〜3000円）、高待遇の大卒者でも4万チャット程度だ。

●同日午後9時
屋外から大声が聞こえてくる。酒屋がオープンした。興奮気味に話している者もいれば、サイクロンの
ショックに打ちひしがれ黙りこんでいる者もいる。

●5月5日午前6時20分
トレイダーホテルでビュッフェ形式の朝食をとった。10米ドルで全て揃っている。しかし、従業員の
顔や声は暗く、睡眠不足の従業員もいるようだ。

●同日午前9時
航空会社に電話がつながらない。空港の電話は使用できない。飛行機を利用してヤンゴンから
避難できるかどうかは、まだ誰にも分からない。

空港ロビーは、ミャンマーからの出国（行き先はどこでも良い）を待つ旅行者であふれている。

>>3に続く

>>2の続き

●同日午前9時半
ミャンマーの大手旅行代理店を経営する友人のオング氏に会うために、サクラタワーに行った。
彼とそのスタッフは流暢な日本語を話す。彼の経営する旅行代理店は、ミャンマーで最も
成功している旅行代理店のひとつだ。サクラタワーはヤンゴン市の中心部に立地し、最も頑丈で
安全性の高いビルのひとつとされるが、その5階に入居する彼のオフィスもサイクロンの被害を
受けていた。

2枚の窓ガラスが割れ、デスク、コンピュータ、電話、内装などが散乱している。まるで、爆弾が
爆発したかのようだ。

オング氏はデータが消えてしてしまったことを心配している。バックアップ・ディスクも雨で
濡れてしまったという。

彼のビジネスが再開する見通しは立っていない。スタッフたちが瓦礫の掃除を行っている。
彼らの家も、サイクロンによって屋根が吹き飛ぶなど深刻な打撃を受けている。

●同日午前10時
再開したサクラタワー3階のバンコク・エアウェイズのオフィスに行った。今日のフライトは無理でも、
今週後半の便を予約することはできるだろうと考えていたが、幸運なことに本日午後1時半の
フライトをコンファームすることができた。

私の体は疲れ果てて熱っぽかった。ペットボトルの水もなくなりかけていた。

日曜日にオープンしていたレストランも今日は閉まっており、電気も水も食料もない状態だ。

●同日午前11時半
知人に空港まで車で送ってもらった。その途中、3メートル以上の大木のほとんどが
なぎ倒されているか、枝が折れているのが確認できた。

色とりどりの野外広告はほとんどが外れかけている状況だ。道路に散乱している瓦礫や樹木を
避けるため、ハンドルをこまめに切る。

今夜はクアラルンプール、シンガポール行きのフライトがあり、タイ航空も追加便を予定している。
空港では、何百人もの不運な旅行者らが空席待ちをしている。ミャンマーを無事に出国するため、
忍耐強く待っているのだ。

●同日午後7時半
CNNは最終的に今回のサイクロンが深刻な被害を及ぼしたと報道。当初、ミャンマー政府は、
死者315人と報道したが、その後、4000人に上方修正した。しかし、これは真実ではない。

翌朝、死者は1万5000人と報道された。だが、私は、最終的には死者数が5万〜15万人に
達するものと予測している。また、洪水に巻き込まれるなどして生存の可能性が低い者も、
数百万人に及ぶだろう。

風速は豪雨と相まって、200〜220キロ／時に達していた。

昨年9月、ガソリン価格が500％上昇、一般物価上昇率も30〜80％に達し、騒乱と虐殺が起こった。
デモを行った僧侶らは暴行を受け、投獄され、そして殺された者もいた。

現在、インフレは建設資材、食料など全品目でいっそう深刻化している。

ミャンマーのある市民は「軍政は1000万人の市民を飢え死にさせる気か」と嘆いていた。

−以上−

いくら何でも死にすぎです。
これは・・・政権交代を促すべきでしょう。

> ●同日午前11時
> 複数のレストランが再開した。サイクロンによって多くの鶏が死んだが、死んだその鶏の肉を
> だしているレストランもある。だが、卵は１個300チャット（約30円）で、サイクロン発生前に比べて
> 300〜400％値上がりしている。

パリコミューンのときのパリ市かよ…

復興する前に大暴動になるんじゃないか？これ

> 翌朝、死者は1万5000人と報道された。だが、私は、最終的には死者数が5万〜15万人に
> 達するものと予測している。また、洪水に巻き込まれるなどして生存の可能性が低い者も、
> 数百万人に及ぶだろう。

wikiによると、ミャンマーの人口は4800万人だそうで
国民の１％超が死亡する惨事になったかもってこと？？

国が滅んでもおかしくないよなぁ…

国連の韓国人の世界大統領はスルーを決め込んでます
無能としか表現のしようがないが、韓国人を事務総長にした時点でこうなることは
予想できていた
アナンは腹黒い男だったが、こういうときの人道支援なんかはきちんとやってたな

>>7
ソ連や中国じゃそのくらいの事起こしても、体制は微動だにしなかったな…。

>>9
政治主体に勢いのあるときなら、なんとかなるが、いまのビルマは…

サイクロンっていわれてもイマイチピンとこない…吹き飛ばされて死んじゃったの？

>>11
風雨の被害もあったが、それ以上に高潮で広範囲が水没した。
日本だと台風が来る場合、何日も前からＴＶとかで進路出したりして警戒させるでしょ？
そういうものもなくほとんど不意打ちみたいに巨大サイクロンが襲ってきたから、ほとんどの人たちが
無防備な状態でこの災害の直撃を受けるはめになった。他国からの警告は出ていたのに。

ぶっちゃけ今回の災害の、３分の２くらいの責任は軍政にある。

>>12 詳しくありがとう。
村一つ海に飲まれたのね…怖い

> 村一つ海に飲まれたのね

いや、衛生写真から見ると
http://sankei.jp.msn.com/photos/world/america/080507/amr0805071149007-p1.jpg

ミャンマーの大都市のほとんどが水につかってる。

日本でいったら、メガメガ伊勢湾台風か超級新室戸台風の襲来で、名古屋完全消滅、大阪神戸と東京横浜は水没、死者行方不明は130万人以上、それでも長野に遷都した軍部は何もしない、という感じか…

首都移転は成功ってことじゃんか。

この季節、疫病とか心配だな
早急に衛生管理が確立してほしい

衛生管理するにしても、医療行政は存在しているのだろうか？
もし仮に医療資源が幸運にも存在したとしても、それを機能させるインフラが、ありはしない。
近隣他国の状況から推測しても、空恐ろしいほど無力だと思わざるをえない。
恐るべき伝染病の蔓延と、飢餓による大量死が、数週間内に切迫している。
即時的な国際機関の全面介入が、かつてなく必要だと思われる。

要するに台風のことだよ。
濁流で流されちゃったんじゃないか？家ごと。

>>17
軍政で政治的に孤立している国だから、たぶん疫病の流行は防げない・・・
下手すると内戦まで発展するかもな

>スタッフが「断水のため、シーツとタオルをクリーニングできない」と謝罪する。

この状況でもホテルマンであり続ける従業員に感動した。

これも小泉改革のツケか

福田が辞職しないから被害がここまで拡大しだんだろう

>>14
うあ・・・マジかよ
カトリーヌどころじゃねえな

あの辺では一番豊かなタイは戦々恐々だろ　膨大な難民が押し寄せる。

アナンはどう腹黒かったの？

>>26
親族やら関係者やらが国連の利権に目一杯ぶら下がってた＞アナン