★ナチス時代の膨大な公文書が一般公開
ナチスの恐怖政治の詳細を記した強制収容所の帳簿やその他ドイツの戦争時の文書を納めた
公文書館がこの水曜日に正式に一般公開され、訪問者が自由に閲覧できるようになった。
ホロコースト犠牲者についての情報提供を目的としてこの公文書館が設立されてからすでに
60年以上が経つ。
赤十字国際追跡サービスの所長レート・マイスターは公開記念セレモニーの中で、「赤十字国際追跡
サービスの歴史の新たな1ページです。このたびの一般公開によって、ナチ時代を通じて行われた
怪物的に恐ろしい犯罪の記憶は風化することがなくなるでしょう。」と述べた。
ナチ関連情報の記録はこの機密公文書館で60年以上も封印されていた。この公文書館には
戦争時代の強制収容所、ナチ突撃隊の事務所、戦後に追放された人々の収容所から連合軍が
押収した史料が保管されている。
この施設は1950年代からは国際赤十字によって管理されており、これまでは行方不明者の捜索に
関する調査依頼や、損害賠償請求のための資料提供にかぎって、赤十字職員が使用してきた。
ホロコーストを生き残った人々やその親族、あるいは歴史研究者はこれまで文書を直接閲覧することが
できず、赤十字に問い合わせて回答を得るしか方法がなかった。
昨年11月にはこの公文書館にある5000万点もの資料を公開するという協定が関係11カ国の間で
成立し、このたびの一般公開に至った。
国際追跡サービスの報道官カスリン・フローは、「一般公開はされましたが閲覧には予約が
必要です。」と述べている。
ドイツ内務長官のベルナード・ベウスは歴史家、職員、ユダヤ人代表などを含む聴衆に向かって、
「この公文書館は人々が迫害されたり殺害されたりした経緯についての記憶を支えていくものです。」と
述べた。
昨年8月、赤十字国際追跡サービスはバード・アロルゼンの6棟のビルにある総計約6.5キロメートルもの
文書棚に保管されているファイルをコピーする作業に取り掛かった。コピーされた情報はエルサレムの
ヤド・ヴァシェム・ホロコースト記念館、ワシントンのアメリカ・ホロコースト記念博物館、ワルシャワの
ポーランド国家記銘院に送られている。
赤十字社副会長のクリステイーヌ・ベールリは「多くの人々がいま、バード・アロルゼンに保管されている
史料の価値を知ることができるようになりました。この事実はあまりに重要で、私自身はその重みを
充分に推し量ることさえできないほどです。」と述べた。
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