【インド】現地のコカコーラ社、有害な『肥料』を地元農家に提供か[04/29]
インドでCoca-Cola社が地元の農民に肥料として提供している物質に、
有毒な化学物質が含まれているとBBCの調査で明らかになった。
インド南部Kerala州の工場から発生した泥を検査した結果、
発癌性物質として有名な危険な水準値のカドミウムが検出された。
BBC Radio 4の番組Face The Factsの調査でカドミウムが発見され、
科学者はCoca-Cola社にすぐに肥料の提供をやめるように要求した。
しかし、インドCoca-Cola社のSunil Gupta副社長は肥料の危険性を否定した。
「当社には肥料が完全に安全であると証明する科学的根拠があり、
これまでまったく苦情もありませんでした」とGupta副社長は語った。
番組Face The Factsの司会者John Waite氏は村民の苦情を受けて工場を訪れた。
Coca-Cola社が大量の水を必要としているために給水が干上がっているという。
村民、政治家、環境保護家、科学者が地元でもっとも大切な資源を
奪っているとして社を告訴している。地元の農業は荒廃し、地元住民の
仕事も健康も危険にさらされているという。
「憂慮すべき事態」
調査の一環として、検査のためにFace The Factsは泥のサンプルをイギリスの
Exeter大学へと送った。テストによって泥は肥料として効果がなく、カドミウムや
鉛などの複数の有害物質が含まれていることがはっきりした。
研究主管のDavid Santillo氏によると、「とくに憂慮すべきなのが汚染が
給水にまで広がっていることだ。近郊では鉛がWHO(世界保健機関)定めた水準を上回っている」
イギリスの有害物質の専門家であり、London、St Mary病院顧問のJohn Henry教授によると、
すぐにインドの当局が有害物質の提供を禁止すべき段階であるという。
サンプルから発見された有害物質の水準は重大な問題を引き起こす量であり、
土地、水の供給、食物連鎖を汚染するという。「その結果この有害物質が排出される
地域で採れる作物に頼る地域で暮らす数千人が被害にあう」とHenry教授は述べた。
「作物にとって有効」
カドミウムは発癌性物質であり、腎臓に蓄積されてゆきそれが繰り返されると腎不全を起こす。
鉛は特に子供の成長に悪影響を与え死に至る可能性もある。
たとえ低い水準であっても知能障害や重度の貧血を起こす。
Henry教授によると、「困ったことに、検出された(有害物質の)水準ではこの地域の
妊婦に悪影響を及ぼす。流産や、死産、早産の増加が予想される」という。
Gupta副社長によれば多くの人がブランド製品を自らのために買う経済的余裕がなかったために
地元農家は肥料の恩恵を受けてきたという。「これは作物にとっていいものです。
多くの農家は貧しいので農家にとってもいいものであり、彼らは3年間この肥料を使っています」と
語った。Coca-Cola社は この泥を農家に提供し続けるという。
ソース BBC NEWS Friday, 25 July, 2003, 17:51 GMT 18:51 UK
Coca-Cola's 'toxic' India fertiliser (記者による訳)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/south_asia/3096893.stm