【チェチェン】親ロシア派同士の間で銃撃戦、緊張状態に[04/16]
ロシア南部のチェチェン共和国で、ライバル関係にある親ロシア派の部隊が16日、
数人が死亡した戦闘を経て、緊張したにらみ合いの状態となった。
親ロシア政府派のチェチェン人リーダー、ラムザン・カディロフの指揮下にある兵士は今週の初め、
主にイスラム教が住む東部の町グデルメスで、ライバルの親ロシア派の指揮官を支持する戦闘員と
衝突した。16日、特別武装警護隊が大統領官邸をパトロールし、RIA通信は警察機関がスリム・ヤマダエフが
所有する家を捜査したと報じた。ヤマダエフはカディロフのライバル指揮官で、この指揮官の部隊が
カディロフの兵士と戦った。グデルメスに在住の目撃者は、この銃撃戦で少なくとも18人が死亡したと
ロイターに15日に話したが、別の複数の情報源によると死亡したのは数人だったという。
1994年以来ロシアは二度の戦争でチェチェン武装勢力と戦い、この戦争で数千人が死亡し共和国は破壊された。
しかしロシア政府は戦争は終結し、小規模の武装勢力が山地に潜伏しながらも同領域が安定しているとしている。
専門家は、この2つのライバル間の戦いが、8年間政権を握っていたウラジミール・プーチン大統領の
最大の業績の1つであるロシア政府が語るチェチェンの状況のもろさを示していると語った。
プーチンは来月、退任することになっている。プーチンはこの領域を統治するため、ロシア政府に
忠誠を表す元武装勢力の指揮官であるカディロフに頼った。しかしカディロフは、この領域で現在も
活動している幾つかの他の指揮官や、ロシアの特殊部隊と緊張状態にある。
互いの部隊の車両が道を譲ることができず、カディロフの部隊は、エリートのヴォストーク大隊の
指揮官ヤマダエフを支持する戦闘員と衝突した。
「ラムザン・カディロフのいとこが、グデルメス道を時速190キロで私たちの兵士のところに
走ってきたとき、この状況になりました。」と、チェチェン国民会議の代議士で、
スリム・ヤマダエフの弟、イサ・ヤマダエフがロイターに話した。イサ・ヤマダエフ議員によると、
カディロフが状況を鎮めるためにやって来たが、双方の部隊から武装した兵士が現場に急行して緊張が高まった。
モスクワを拠点にする国防の専門家Pavel Felgenhauer氏によると、名目上チェチェンの内務省と
国防省に属する部隊の指揮官であるカディロフとヤマダエフはそれぞれ、ロシアでも最もタフな
兵士たちがいる私設軍隊を指揮する。
両者の不仲は通常メディアに伏せられるが、この2つの部隊には相互不信と嫌悪の長い歴史がある。
この銃撃戦はロシアのほとんどの主要なテレビのニュース番組では報じられなかった。
「より深刻なのはプーチン大統領の退任の際、再度チェチェンを平和にした大統領の業績が
称えられるときにこの事態が公然と明るみに出ると、一度でロシア政府は当惑することになる」と
Felgenhauer氏は語った。
16日、チェチェンの議会の議長は、ヤマダエフがヴォストーク大隊の指揮官を辞職するよう求めた。
RIA通信によると、内務省の職員がヤマダエフの家族が所有するグデルメスの家で兵器を捜索したという。
ソース Reuters Wed Apr 16, 2008 2:42pm EDT
Chechnya tense after pro-Russia rivals fight (依頼スレの訳文を基に作成)
http://www.reuters.com/article/europeCrisis/idUSL16487497