【ロンドン支局】
アフリカ南部ジンバブエで3月29日に実施された大統領選の開票が大幅に遅れており、
国際的に関心が高まっている。28年間独裁を続け、国際社会の非難を浴びるムガベ
大統領(84)の進退がかかっているからだ。同大統領の引き際をめぐり与野党間で
秘密交渉が持たれたとの情報も流れる中、治安当局が暴動の発生に備えるなど
状況は緊迫している。
大統領選には、政権5期目を目指す与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線
(ZANU−PF)」のムガベ大統領、最大野党「民主変革運動(MDC)」のツァンギライ
議長(56)、与党から立候補して除名された元財務相のマコニ氏(58)らが出馬。
上下両院選も同時に行われた。開票が遅れている理由として政権側の不正操作が
疑われている。
現地からの報道によると、大統領選の開票結果は一切公表されていないが、選挙監視
グループの調査では、得票率はツァンギライ議長49%、ムガベ大統領42%、マコニ氏8%。
過半数の票を確保した候補者がおらず、決選投票が行われる可能性が強まっている。
下院は210議席のうち182議席が確定。内訳はMDC92議席、ZANU−PF90議席で、
少なくとも6人の現職閣僚が落選した。
大統領選の決選投票ではツァンギライ議長の勝利が予想されるため、南アフリカ関係者が
仲介する形で同大統領、MDC幹部、軍指導部による秘密交渉が行われ、大統領退陣の
道筋が話し合われたと欧米メディアが報道。これについてツァンギライ議長は1日夕に
記者会見し「選挙管理委員会の公式発表を待つ。それまでは大統領とは一切交渉しない」
と秘密交渉を否定した上で「われわれの挑戦により祖国は生まれ変わる」と自信満々に話した。
一方、MDC幹部は軍、情報機関指導部とも接触、政権交代が実現した後、現政権下での
人権弾圧に関しては不問に付すとの密約を交わしたとも伝えられる。当初、ムガベ大統領
への忠誠を表明していた軍部も「選挙結果を重視する」と態度を軟化させている。
米政権は「有権者が『変化』に投票したのは明白」と野党の勝利を確信していると発表。
欧州連合(EU)議長国であるスロベニアのルペル外相は大統領の即時退陣を求めるなど、
欧米の現政権への風当たりは強い。
■ジンバブエ
アフリカ南部の内陸国で、1980年に英国から正式に独立。国名は、国民の75%を
占める黒人のショナ族の言葉で「大きな石造りの家」の意味。面積は日本とほぼ同じ
39万平方キロ。
19世紀末、英国の投資家でイギリス南アフリカ会社を設立して地域を支配した
セシル・ローズにちなんでローデシアと命名された。23年に英国の植民地となったが、
65年に白人強硬派が総督を追放、国名をローデシアとして独立を宣言。
主な輸出品はたばこ、金、プラチナで、主要輸出国は、南アフリカ(約40.6%)、
中国(8.8%)、スイス(8.6%)。人口は約1335万人。大多数が黒人で、白人は
全体の約1%。
ムガベ氏は白人政権へのゲリラ闘争を指揮した英雄で80年の独立とともに首相、
87年の共和制移行で大統領に就任した。
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080402/mds0804021830001-n1.htm 関連スレ
【ジンバブエ】大統領選で監視団が「架空有権者」を懸念、野党も与党の不正を指摘[03/30]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1206880189/ 【ジンバブエ】大統領選挙や上下両院選挙などが投票
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http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1206807702/ 【ジンバブエ】大統領選挙結果待ち、ケニアの「二の舞」にならない理由[04/01]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1207060773/