【3月29日 AFP】
パリ(Paris)の裁判所で27日、利用者が作成したウェブページが映画俳優の
プライバシーを侵害したとして、フランスのユーザー参加型インターネットサイト
「fuzz.fr」を運営するEric Dupin氏に総額2500ユーロ(約39万円)の賠償金支払いを
命じる判決が出された。
フランスの俳優オリヴィエ・マルティネス(Olivier Martinez)とカイリー・ミノーグ
(Kylie Minogue)とのゴシップ記事を掲載したサイトに「fuzz.fr」の利用者がリンクを
貼ったことが問題となった。
裁判所は、リンクの掲載は「編集判断」に相当するとして、「fuzz.fr」の設立者
Eric Dupin氏に対し1000ユーロ(約15万5000円)の賠償金と訴訟費用1500ユーロ
(約23万5000円)の支払い命令を下した。
「fuzz.fr」は、登録ユーザーがウェブ上で発見した記事へのリンクを投稿することが
できるサイトで、最も人気の記事は自動的にサイトの最上部に表示される仕組みと
なっていた。「fuzz.fr」はすでに閉鎖されている。
Dupin氏は、今回の判決は他のユーザー参加型ウェブサイトに大きな衝撃を
与えるとし、「フランスのユーザー参加型ウェブサイトにとって、今日は最悪の日だ。
(今回の判決は)ありとあらゆる種類の訴訟に道を開いた」と述べた。
ユーザーの執筆、編集による参加型オンライン辞書検索サイト「ウィキペディア
(Wikipedia)」や動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」といった巨大サイトだけで
なく、インターネットには個人が立ち上げたユーザー参加型のウェブサイトが多数ある。
Dupin氏は、控訴する意志を明らかにしている。サイト閉鎖の理由については、
「サイトに掲載された全部のリンクをひとつひとつチェックすることは不可能だ」と
述べた。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2371305/2786420