エチオピア中央銀行が、他国との間の輸出入の決算のために金備蓄として保管していた
金地金の一部に別の金属に金メッキを施したニセモノが含まれていたことが、13日までに
明らかとなった。
英BBCの報道によると、エチオピア中央銀行が備蓄していた金地金の一部を輸出入の
決済のために南アフリカに移送した際に、南アフリカ側の調査により明らかとなったもので、
エチオピア中央銀行がこれらの金地金を購入した段階で、ニセモノの金塊を掴まされていた
ことが判ったとしている。
エチオピア中央銀行にニセモノの金地金を売り付けていた詐欺師は既に、エチオピア当局
によって逮捕、拘束されたが、その後の調査でエチオピア中央銀行が別の経路で購入した
金地金の一部にもニセモノが見つかるなど、エチオピア中央銀行では今、金庫に保管している
金備蓄の全てが本物の金地金であるかどうか、全てを再検査しなければないないという
状況に陥っている。
エチオピア政府が被った被害は既に数100万ドルに及んでいるものと見られている。
金の比重は鉄の2.5倍もあり、専門家からは、例え、外見を金に見せかけたとしても、金と
金メッキを施した鉄とでは持ってみれば直ぐ判るとした上で、金と比重が似かよっている
タングステンに16分の1インチ厚の金メッキを施して作られたニセの金地金が今回の詐欺に
利用されていた可能性もあるのではないか、といった声もでている。
このような手法で作られた金地金は表面の金メッキの厚さが厚すぎるため、一般的なX線
を使った検査では内部のタングステン部分を透過することはできず、また、比重も金とは
ほとんど変わらないため、一般的な検査ではニセモノと判断できないだろうとしている。
ただし、このタングステンを使ったニセの金地金は大量の金でコーティングする必要がある
ため、同じ重量の金の価格の10%位のコストが必要となるという欠点も持っている。
今回、エチオピア中央銀行が保管していた金準備の中にニセの金地金が含まれていたことが
明らかとなったことを受けて、アフリカ諸国を中心に中央銀行間でニセの金地金が広く流通
している可能性もでてきた。
Technobahn 2008/03/16
http://www.technobahn.com/news/2008/200803160124.html