★アルゼンチン:黄熱の発生 (2008/03/10)
1.
(1)在アルゼンチン日本国大使館によると、2008年3月3日、ミシオネス州
保健省は、同州において同国内で42年ぶりに黄熱感染者が1人確認され
た旨発表しました。患者は、同州サンビセンテ市在住の24才男性で、入
院中であり、現在は回復に向かっています。また、ブラジルと国境を接
する同州サンペドロ郡のピニャリト州立公園において、黄熱に感染した
14匹の野生猿の死骸が確認されており、今回感染が確認された男性はピ
ニャリト地区の密林地帯で働いていた際に、感染したとの疑いもありま
す。
アルゼンチン保健省は、同州民への黄熱予防接種キャンペーンを行っ
ており、85%の住民が既に予防接種を受けていることから、今回の感染
症例が流行のきっかけにはならないと考えている旨発表していますが、
現時点で黄熱疑い患者が数十人いるため、感染者が増える可能性も考え
られます。
(2)ミシオネス州はブラジル、パラグアイの両国と国境を接する地域にあ
り、3国国境地帯にある「イグアスの滝」は観光名所として有名で、多
くの日本人旅行者も訪れています。
現在、アルゼンチン保健省では、入国に際して「黄熱予防接種証明書
(イエローカード)」を携行することの義務付けや予防接種の推奨等特
段の措置はとっていませんが、「イグアスの滝」観光を含めミシオネス
州へ渡航を予定されている方は、念のため黄熱予防接種をお勧めしま
す。また、同州への渡航を計画する際には最新の情報を入手することを
お勧めします。
2.黄熱予防接種について
黄熱ワクチンは、日本国内においては検疫所等で接種することができま
す。料金や受付時間など詳細は最寄りの検疫所にお尋ねください。(各検
疫所連絡先は、
http://www.forth.go.jp/tourist/vaccine.html に掲載
されています。)
黄熱ワクチンは1回接種で、接種後10日目から有効となるため、少なく
とも出発の10日以上前に接種することが必要です。1度受ければ10年間有
効です。また、生ワクチンなので接種後1か月は他のワクチンを接種する
ことはできません。
なお、黄熱リスク国及び予防接種を要求している国については厚生労働
省検疫所ホームページ
http://www.forth.go.jp/tourist/useful/01_yobou.html に掲載されて
いますので御覧ください。
3.黄熱について
黄熱は蚊によって媒介されるウィルス性の感染症で、渡航に際して予防
接種の国際証明書が要求される唯一の感染症です(渡航先国によっては要
求されない場合もあります。)。感染経路には都市型と森林型とがあり、
都市型はウィルスを持った蚊(ネッタイシマカ)を媒介して感染します。
森林型はヒト以外の脊椎動物(主にサル)と蚊の間に感染しますが、まれ
に森林の中で活動していたヒトに感染することもあります。
潜伏期間は3〜6日で、軽症から重症まで様々な症状(発熱、頭痛、嘔吐
等)を起こします。これといった治療方法はなく、対症療法が主となりま
す。予防方法は、予防接種を受けること、予防接種を受けていない場合は
蚊に刺されないようにすることです。ただし、森林や森林に隣接した都市
部では防虫スプレーだけでは十分な効果は期待できません。
リンク先に問合せ先有り
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info4.asp?id=241