【パキスタン】テロ組織による核物質流出阻止へ水際作戦[080304]

「核流出阻止へ水際作戦　パキスタン」

イスラム過激派が勢力を拡大、総選挙でムシャラフ大統領派が大敗した核保有国パキスタンで、
政情不安からテロ組織に核物質が奪われるとの懸念が国際社会で広がっている。
同国のカーン博士が「核の闇市場」を構築、北朝鮮などに核技術を拡散させた“前科”もあるが、
パキスタン政府は港での積み荷検査に最新技術を導入、「管理体制は盤石」と、水際での
核流出阻止に自信を示している。

商業の中心地、南部カラチのカシム港で実施している「貨物運送安全対策」（ＳＦＩ）は、
積み荷に核物質が含まれていないかを瞬時に判別する世界初の試みだ。敷地内に入ってすぐ、
２本の柱の間を、コンテナを載せたトラックがゆっくりと通過する。「この柱が放射性物質
センサー。積み荷を一瞬で調べ、結果はリアルタイムで米国にも送られる」。
責任者のレマトゥラ・ベストロ氏が胸を張る。アラビア海に臨むカシム港の約４平方キロの
敷地に新設された管理センターが、核拡散防止の拠点だ。

２００１年の中枢同時テロ後、米国は放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」などによる
テロ警戒を強化。輸送前に米国向け貨物の中身をエックス線で検査する海上コンテナ
安全対策（ＣＳＩ）を提唱し、日本を含む約６０港で実施されている。

ＳＦＩも米国主導で進められ、カシム港で昨年３月、世界初の運用が開始された。
米国向け貨物が対象で、ＣＳＩとの違いは、核物質の有無を調べる検査を厳重にし、
米当局と結果を共有、必要なら即座に再検査する点にある。運用状況は順調で、その後、
カリブ海のプエルトリコなど３カ所の港でも導入された。

トラックが放射性物質センサーを通過すると、センターの事務所のコンピューターには
コンテナを透視した画像が表示される。異常があれば警報が鳴り、何もなければ番号の付いた
鉄製の鍵を掛けられ、この番号も自動的に米国側に伝えられる。一連の作業時間はわずか
六分だった。

不審な点があれば、詳細な検査を行う倉庫に移される。積み荷を開け、小型センサーで
１つ１つチェック。この結果も米側に同時に通知される。これまで大理石などに含まれた
微量の放射性物質に反応し、警報が鳴ったこともあったが、違法な核物質が見つかった
ことはないという。

カシム港には、陸に囲まれて海のないアフガニスタンや中央アジアの国々からのコンテナも
集まる。「他国の核物質密輸の監視も担っている。パキスタンはテロとの戦いで多大な
貢献をしていると覚えておいてほしい」。ベストロ氏は、パキスタン発の「核テロ」への
根強い懸念を意識して、こう強調した。

引用元：MSN - 産経新聞　(共同通信)　http://sankei.jp.msn.com/　(2008.3.4 10:38)
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080304/mds0803040854001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080304/mds0803040854001-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/080304/mds0803040854001-n3.htm
写真：
パキスタン南部カラチのカシム港で、核物質検査を終えたコンテナを封印する作業員＝１月２３日（共同）
http://sankei.jp.msn.com/photos/world/mideast/080304/mds0803040854001-p1.jpg

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ほか

水際作戦か。日本も他人事じゃないな。