米国内の35歳から54歳の女性の間で、脳卒中にかかる率が10年前の3倍以上に
上昇しているとの研究結果がこのほど、当地で開かれた国際脳卒中会議で報告された。
同じ時期に女性の肥満が急増したとのデータもあり、相関関係が指摘されている。
研究は、南カリフォルニア大の神経学者らが、全米健康栄養調査の結果を基にまとめた。
調査の対象となった同年齢層の米国人は約5000人。脳卒中と診断されたことがあるかと
いう質問に、あると答えた中年女性の割合は、99‐04年の最新調査で2%近くと、
88‐94年調査の0・5%前後から急激に上昇した。一方、中年男性で脳卒中を起こしたことの
ある人は、いずれの調査でも1%前後で、目立った変化はみられなかった。報告によると、
コレステロールや血圧を抑える薬を飲んでいる女性は、10年前より増えたという。
女性の脳卒中は、これらの薬でも十分に予防できていないことになる。
チームではこの統計を重くみて、相関関係のありそうな要因を検討。喫煙、心疾患、糖尿病など、
脳卒中につながるとされる主要要因に大きな変動はなかったものの、同じ10年間で、
腹部の肥満を指摘された女性の割合が47%から59%に、女性の平均BMI(体格指数)は
27から29に、それぞれ上がっていたことが明らかになった。女性のウエストサイズの平均値は、
この間に5センチ近く大きくなったという。男性にはこれほどの変化がみられなかった。
同会議の議長を務めた米イリノイ大のフィリップ・ゴリリック博士は、「中年期のリスクは女性が
男性を超えた。脳卒中についての教科書を書き換える必要があるようだ」と指摘。さらに、肥満は
心疾患や糖尿病など、「ほかのすべてのリスク要因も呼び込む恐れがある」と述べ、注意を呼び掛けた。
2008.02.24 Web posted at: 19:50 JST Updated
ソース(CNN):
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200802240021.html