【トルコ】国会がスカーフ容認の改憲案可決…世俗派は抗議デモ[02/10]

このエントリーをはてなブックマークに追加
トルコ国会は9日、女性が大学でスカーフを着用することを許可する憲法改正案を
賛成多数で可決した。イスラム色の強い与党にとってこの改憲案可決は「大勝利」を
意味する一方、世俗派の反発を招き、大規模な抗議活動に発展する可能性が出てきた。

国会で採決が行われる中、首都アンカラ(Ankara)市街地の広場には改正案に反対する
数十万人が集結。同国建国の父、ムスタファ・ケマル・アタチュルク(Mustafa Kemal Ataturk)
初代大統領の写真ともに、国旗を掲げて抗議デモを行った。

スカーフ着用を、建国以来の国是である厳格な政教分離に対する挑戦と
とらえる軍、司法界、学界関係者はAKPの改正案に激しく反発していた。

関連スレ:
【トルコ】女性の大学でのスカーフ着用を容認する憲法改正案、与党らが国会に提出 反対派との対立深まる恐れも[01/30]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1201709724/

ソース(AFPBB news):
http://www.afpbb.com/article/politics/2348548/2619764
2七つの海の名無しさん:2008/02/10(日) 19:45:14 ID:mTinvdO7
むしろスカーフかぶった方が清楚で美人に見える
3七つの海の名無しさん:2008/02/10(日) 19:58:29 ID:PtGhXAsG
許可くらいならいいじゃん。
強制とかだったらだめだけど。
4七つの海の名無しさん:2008/02/10(日) 20:36:47 ID:TsHitugW
2007. 07. 21 トルコ、あす総選挙 世俗主義の行方問う

 初のイスラム系大統領の選出を巡る混乱を受けて前倒し実施されるトルコ総選挙(定数550)の投票が
22日行われる。続投を目指すエルドアン首相率いる与党の穏健イスラム政党「公正発展党(AKP)」に
対し、イスラム勢力台頭に危機感を抱く世俗派の野党勢力が挑む構図。1923年の建国以来の国是で
ある「世俗主義」の行方を問う選挙としても注目される。

 「私は大学進学をあきらめたが、娘には同じ思いをさせたくない」
 アンカラで贈答品卸業を営むイスマイル・エレデムさん(37)の妻、ゼリハさん(同)は、大学進学を
2年後に控えた長女メリケさん(16)の将来を憂える。
 政教分離と世俗主義を掲げる同国では、大学や官公庁などでヘジャブ(スカーフ)の着用が禁じられて
いる。ゼリハさんは弁護士を目指していたが、ヘジャブをとることに抵抗を感じ、19年前、進学を断念した。
 建築を学びたいというメリケさんの願いをかなえるため、ヘジャブの代わりとなるカツラの購入も検討して
いるが、イスマイルさんは「国民の99%はイスラム教徒。世俗主義とイスラムは矛盾しない。信仰を尊重
することが不利益になるのはおかしい」と憤る。
 エレデムさん一家のような不満は国内に根強い。背景には、同国の政治・経済を伝統的に支配する世俗
主義エリート層への強い不信がある。その受け皿となったのが、2002年の総選挙で大勝し、史上初の
イスラム政党による単独政権を樹立した公正発展党だ。
 エルドアン政権は、イスラム色を抑える一方で、経済・社会改革などを進め、平均7%の経済成長を実現。
外交面でも欧州連合(EU)加盟の道筋をつけ、穏健イスラム主義の中産階級や、保守的な貧困層の幅広い
支持を拡大してきた。
 これに危機感を強めているのが世俗主義勢力だ。最大の世俗派野党「共和人民党(CHP)」を支持する
イスタンブールの左官業ユクセル・トクンチさん(57)は、「公正発展党は経済成長をもたらしたというが、
恩恵を受けたのは一部だけ。しかも我々は、『不信心者』というレッテルを張られている」とぶちまける。
 トクンチさんのような世俗派が抱えるイスラム化への不安を背景に、CHPは「イスラム過激主義の脅威を
食い止め、世俗主義を守る」とのスローガンを掲げ、支持拡大を図っている。
 政治アナリストのチェンギス・アクタル氏は「世俗主義勢力は、EU加盟に消極的になるなど保守的傾向が
目立ち、逆にイスラム勢力が開放的な改革派と見なされる、ねじれ現象が起きている」と指摘、「イスラム対
世俗という構図ばかりが強調されれば、トルコの民主主義のあり方という本来の争点が埋没してしまう可能性が
ある」と警告している。
5七つの海の名無しさん:2008/02/10(日) 20:37:24 ID:TsHitugW
2007. 07. 24 トルコ与党の総選挙圧勝 成熟した世俗主義へ一歩(解説)

 今回のトルコ総選挙は、ケマル・アタチュルクによる現代トルコ建国から84年、「近代化=西欧化・脱イスラム化」という
ケマリズムの根幹を支えてきた「国是」世俗主義に教条的に固執する旧世代と、国家と宗教の民主主義的な共存の余地を
作りながら政治・経済改革を進めるリベラルな新世代との対決だった。その意味で、後者を代表するエルドアン首相の
穏健イスラム政党「公正発展党(AKP)」が、世俗主義勢力からの「イスラム脅威論」や軍部からの圧力に耐え、得票率47%
という民意を獲得したことは、トルコがより成熟した世俗主義国家となる第一歩を記したと言える。

 1923年、アナトリア半島中央部のアンカラを首都としたアタチュルクの「トルコ共和国」建国。カリフ制廃止といった劇的な
措置とあいまって、それはまさに、イスラム共同体の中心たるオスマン帝国600年の栄光と歴史に、帝都イスタンブールもろとも
決別した空前の大事業だった。国民の99%がイスラム教徒のこの国で、こうした政教分離に基づく近代化・西欧化の道を現在に
至るまで支えてきたのが、世俗主義だ。
 だが、その歴史的経緯ゆえに、世俗主義は原理主義的な厳格さで運用され、時に民主主義的価値観との衝突を伴ってきた。
文字通り「共和国防衛隊」を任じる軍部は、政治に世俗主義からの逸脱を見るや、強権で時の民選政府をつぶしてきた。公共施設での
スカーフ着用の禁止など、「表現の自由」と明らかに矛盾する措置も実施されてきた。
 この過程で同時に、イスラム的価値観の尊重を主張するイスラム政党が70年代以降出現。非合法化・新党結成の繰り返しを経た後、
イスラム色をあえて抑え、西欧型民主主義の実践を図ることを一義的に唱える改革派政治勢力がはぐくまれた。これがエルドアン氏らが
2001年に作った公正発展党(AKP)だ。
 翌02年の総選挙で、都市部に流入した貧困層らの支持を背景に政権を握った同党は、経済指標の著しい改善、欧州連合(EU)加盟交渉
入りなど次々と実績を上げた。それでも今春、AKPが大統領候補をたてると、世俗主義勢力は大規模デモで反発、軍部も介入を示唆した。
 今回の選挙は、トルコ国民の多数派が、こうした旧来の政治論議の次元を超えて、民主主義的価値観を共有した新たな世俗主義国家を
志向していることを明確に示したと言える。著名コラムニスト、メフメト・バルラス氏はこの傾向を「国家が宗教を支配するジャコバン派
(仏革命急進派)型世俗主義からの脱却」と指摘する。その中で、AKPはトルコ人からもクルド人からも民意を託される国民政党に成長した。
 「国民からの(軍部への)最後通牒(つうちょう)」――選挙結果を伝える複数の23日付現地紙がこう見出しを打った。トルコは確実に
新たな国家像を模索し始めた。
6七つの海の名無しさん:2008/02/10(日) 20:37:55 ID:TsHitugW
2007. 08. 29 トルコ大統領にギュル氏 国会が選出 初のイスラム系

 トルコ大統領選の第3回投票が28日、国会(定数550)で行われ、与党の穏健イスラム政党
「公正発展党(AKP)」のアブドラ・ギュル外相が過半数の339票を獲得、同国初のイスラム系
大統領が誕生した。7月の総選挙でAKPを圧勝に導いた民意を反映したもので、文民主体の
真の民主主義確立への一歩と受け止められており、1923年の建国以来、政教分離の世俗
主義を国是としてきたトルコは大きな転換点を迎えた。ギュル氏は世俗主義堅持を強調するが、
「イスラム化」への懸念を強める軍部・世俗主義勢力との間で、今後、政治対立が再燃する可能性もある。

 ギュル氏は国会で就任宣誓を行った後の演説で「(大統領)選挙は、トルコの民主主義の成熟度を示すものだ。
中立の立場で、世俗主義を誠実に守り、人々に自由をもたらす」と述べ、新大統領としての決意を表明した。
 同氏の選出で、AKPは大統領、首相、国会議長の3主要ポストすべてを手中に収めた。これを受け、
エルドアン首相が29日にも新閣僚名簿を大統領に提出する予定。
 1923年にケマル・アタチュルクが築いた現代トルコは、オスマン帝国時代のイスラム支配からの脱却と、
近代化・西欧化を目指してきた。国家元首である大統領は、その根幹となってきた国是・世俗主義を支える
最高ポストとして、初代アタチュルク以来、代々世俗派が就任。法案の拒否権や国家機関幹部の任命権を通じ、
イスラム的価値観に基づくいかなる政権の動きも封じ込める役割を果たしてきた。
 しかし、近代化の過程で、伝統的支配層が、厳格な世俗主義運用を求める教条的な傾向を強めるにつれ、
経済発展に伴い出現した新たな中産階級や穏健イスラム主義者を中心とする国民との意識の乖離が拡大。
大統領も、民選政府の「対抗勢力」としての色彩を強め、時に政治的安定を損なう存在となった。
 実際、セゼル前大統領は、2002年のAKP単独政権発足後、省庁の次官や大使など約3000人の人事に
待ったをかけたほか、経済改革関連法案などの成立を阻止。4月の大統領選でもギュル氏選出阻止に動いて
政治危機を助長する結果を招いた。
 この意味で、民意に支えられたギュル氏の大統領就任は、大統領職の役割自体の変質をもたらそう。ギュル氏は
改革・成長路線継続を目指すエルドアン政権と協調する方針で、安定した政治状況が悲願の欧州連合(EU)加盟や
経済発展につながるとの期待は高い。
 一方、大統領という「最後のとりで」を失った世俗主義勢力の危機感は強い。「世俗主義の守護者」を自任、イスラム
主導政権排除に動いた過去がある軍部は今回、AKPの総選挙圧勝の前に動きが封じられた格好だが、ビュユカヌト
参謀総長は27日、ウェブサイト上に「世俗主義に基づくトルコ共和国を守るためには妥協しない」と警告、ギュル新大統領が
世俗主義からの逸脱を犯せば、何らかの「行動」を起こす構えを依然崩していない。
 それだけに、「ギュル氏の人格と態度が今後の展開を左右する重要な鍵を握る」(コラムニスト、メフメト・アリ・ビランド氏)
のは確実で、新大統領の一挙手一投足に注目が集まりそうだ。
7七つの海の名無しさん
>>4 >>5 >>6
硬直したトルコの世俗主義について

cf.ジャコバン型の世俗主義
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E9%AB%98%E5%AD%98%E5%9C%A8%E3%81%AE%E7%A5%AD%E5%85%B8