12日投開票の台湾立法委員選(国会議員選、定数113)を目前に控え、与党・民主進歩党の
苦戦が際だっている。最大野党の中国国民党は経済再生を旗印に無党派層の支持拡大を
図る戦術で勢いに乗り、「台湾人意識」といった抽象論に寄りかかる民進党は不振を打開
できないまま終盤戦に突入という情勢だ。民進党の立法院での議席保有率が30%を割り込めば、
3月の総統選にも致命傷を与えるとの悲痛な声が陣営内からもれてくる。(長谷川周人)
「社会も組織も制度疲労を起こしている。(立法委員選は)非常に厳しい」。民進党の総統候補、
謝長廷元行政院長は5日、支持基盤を持つ南部・高雄で開かれた選挙集会に向かう途中、
台湾新幹線(台湾高速鉄道)内で居合わせた記者(長谷川)の選挙情勢を問う質問にこう答えた。
政権腐敗に対する不満が噴出した昨年以降、陳水扁政権は「台湾」名義の国連加盟問題や
「脱蒋介石化」政策などを掲げ、「台湾人意識」の高揚で結束を促し、信頼回復に努めた。
だが、論争は独立か統一かという既存の枠組みを抜け出せず、与野党の中傷合戦はエスカレート
するばかり。謝氏は「人々は政治の対立に疲れている」と苦渋の表情を見せた。
与野党の対立激化が生む若年層の政治離れから、今選挙では投票率の低下が懸念される。
実際、5日の高雄集会は、支持者ら12000人(警察発表)を集めたが、参加者は中高齢層が
中心で会場は空席が目立った。しかも目的は総統選に向けた選対本部の設立祝いだったが、
副総統候補の蘇貞昌前行政院長は姿を見せず、陳総統は翌日になって高雄入りするなど、
党内にくすぶる不協和音を露呈する形となった。
地元の陳菊市長(民進党)は、謝氏が高雄市長時代に残した功績を強調、「総統選につなげる
ためにも、高雄で負けるわけにはいかない」と発破をかけたが、選対幹部は「(支持基盤である)
南部でも士気は上がらず、『惨緑(独立派は悲惨な状況)』だ」と焦燥感をにじませた。
党主席を兼任する陳総統は7日午前、党首脳部を集めた選挙会議を開き、直後の記者会見で
総統自身が掲げた目標の50議席獲得を死守する方針を確認し、党内に広がる動揺の払拭に
努めた。台湾メディアの質問は敗北した場合の党主席としての責任問題に集中したが、
総統は「台湾の民主のためにも、敗北はありえない」と交わした。
一方、選挙戦の論点を有権者が求める経済再生に絞る国民党は6日、陳総統の出身地の
南部・台南に党幹部が続々と乗り込み、挙党一致態勢で支援者ら8000人(警察発表)に
同党候補者への支持を呼びかけた。
総統候補の馬英九前主席とは党内ライバルの王金平・立法院長(国会議長)も応援に
駆けつけ、連携に不安を残す民進党とは対照的な印象を残した。その馬氏自身は、地元港の
開放で中台貿易の拠点とする構想を提唱、「中国大陸からの観光客開放で600億(台湾)元の
商機を得る」と述べるなど、低迷した経済の再建を求める有権者の気持ちをくすぐった。
国民党は現在、強い組織力を背景に北部は圧勝する勢いで、過半数の57議席獲得は
確実視され、党内には「70議席を伺う展開だ」という強気の発言もある。これに対し、民進党は
目標の50議席に届かず、「45議席あれば勝利宣言できる」と防戦を張る陣営幹部に対し、
「投票率が大きく下がれば(議席保有率30%の)34議席を割り込む可能性も捨てきれない」と
最悪のシナリオを予測する声もある。
◇立法委員選 中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に移行されて初の立法院(国会、
一院制)選挙。定数は225から113(選挙区73、先住民区6、比例代表34)とほぼ半減する。
投票方式も比例で支持政党を選んで投票する方法に変わり、選挙区で議席を失う可能性が
ある少数政党への影響が注目される。任期は3年から4年に延長される。
ソース(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080107/chn0801071931001-n1.htm 関連スレ
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