アフガン国境の部族地域を州に格上げへ、パキスタン政府
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【イスラマバード=佐藤昌宏】
パキスタン政府は、アフガニスタンとの国境に広がり、
イスラム武装勢力の活動が活発な政府直轄部族地域について、
5番目の州への格上げを柱とする改革に乗り出す方針を固めた。
複数の政府幹部が明らかにした。同地域は事実上の無法地帯となっており、
法治の徹底や同化政策による管理強化で武装勢力などを排除するのが狙いだ。
米国の圧力も背景にあるとみられる。
部族地域は1893年、英国が英領インドとアフガニスタンとの国境線を画定する際、
国境地帯のパシュトゥン人居住区を「部族地域」として指定したのが始まり。
パキスタンが1947年に独立する際には、同国への帰属と引き換えに広範な自治が認められた。
同地域は、79年のソ連のアフガン侵攻に際し、
米国とパキスタン政府のテコ入れで、ソ連軍追い出しのための出撃拠点となり、
世界中のイスラム原理主義者の巣くつとなった。
現在、アフガンの旧支配勢力タリバンの拠点や
国際テロ組織アル・カーイダの本部があるとされる。
政府は、2002年ごろから陸軍、治安部隊合わせて兵士8〜9万人を部族地域に駐留させ、
武装勢力の掃討作戦を続けているが、武装勢力のアフガンへの越境攻撃は阻止できていない。
米政府は、部族地域はパキスタンの他地域よりも教育や産業基盤整備が著しく遅れ、
貧困がテロリスト培養の温床になっているとみている。
06年3月には、パキスタンを訪問したブッシュ大統領が、
部族地域内で作られた製品を米国が輸入する際、無関税とする「再建機会地帯」創設を提案。
パキスタン政府も同年の会計年度から、
部族地域の開発予算を従来の約6倍にあたる62億ルピー(約117億円)に増やし、
07年度はさらに75億ルピーまで拡大した。
だが、部族地域は歴史的に中央の支配を嫌い、慣習法で生活。
行政機関も機能せず、各部族が部外者立ち入りを厳しく制限しているため、
06年度の予算消化率はわずか35%程度にとどまった。
政府幹部は「州に格上げされれば、州独自の予算と議会を持てる。
住民の大多数は自治拡大を受け入れるはずだ」としている。
(01/01 14:21)
★ ソースは、読売新聞 [日本] とか。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080101i203.htm ★ 連邦直轄部族地域。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E9%82%A6%E7%9B%B4%E8%BD%84%E9%83%A8%E6%97%8F%E5%9C%B0%E5%9F%9F (Wikipedia)