欧州でワインの造りすぎが問題になっていることについて、欧州連合(EU)は19日の
農相理事会で、安いワイン用ブドウ畑の「減反」による生産削減に合意した。一方、競争力が
ある高級ワイン用ブドウについては作付けを自由化する。フランスなど伝統的ワイン生産国の
反対が強く、当初案より緩やかな内容で決着した。
合意によると、日常ワイン用のブドウ畑を今後3年間で計17万5000ヘクタール「減反」し、
応じた生産者に奨励金を支払う。EUの行政機関である欧州委員会は当初、計40万ヘクタールの
削減を提案したが、加盟国の反対にあって譲歩を重ね、17万5000ヘクタールで決着した。
一方、高級ワイン用ブドウについては、現在の作付け制限を原則として15年末までに
撤廃する。仏など希望する国は18年末まで延長できる。
欧州委は13年末の撤廃を主張したが、「ブルゴーニュ」「ボルドー」など有名ブランドを
抱える仏が反対した。小規模生産者も多く、自由化すれば個性的なワインが打撃を受けかねない
との懸念が強かった。
仏やイタリアなどは、有名ブランドを守るため、産地やブドウ品種、生産方法を法律で厳密に
定めている。こうした規定は今回の合意が実行されても変わらない。
EUは全世界のワイン生産の6割を占めるが、域内消費は減っている。一方で米国や
オーストラリア、南米の安いワインの輸入が増え、ワイン余りが深刻化している。
ソース(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/1220/TKY200712200364.html