★我が道をいくシュワ知事が08年大統領選のカギを握る
ひと昔前の政治家たちは、よく紫煙が立ち込める会議室で話し合ったものだ。だがカリフォルニア州
知事のシュワルツェネッガーが好んで会合を開くのは、もっぱら野外テントの中だ。
同州では、公共の建物内での喫煙が禁止されている。そこで愛煙家の知事は、州議会の敷地内に
特設テントを設置した。この中で葉巻をくゆらせながら政策を練ったり、仲間の共和党議員に選挙の
助言をしたりしているのだ。最近では、英国のキャメロン保守党党首もこのテントで知事と会談している。
2008年の大統領選に出馬予定の共和党候補者たちも、ここで知事と語り合うことで多くを学べるだろう。
全米最大の人口を誇るカリフォルニア州は大統領選で55人の選挙人を割り当てられている大票田。
ここを制すれば、なんと大統領の座を射止めるのに必要な選挙人の数の20%を獲得できるのだ。
これがシュワルツェネッガーが、来る大統領選で重要な役割を果たすと考えられている理由だ。
知事は次の大統領選で誰を支持するか、まだ明言はしていないが、ジュリアーニ前ニューヨーク市長や
マケイン上院議員に好意的だとされる。
シュワルツェネッガーは05年以降、保守寄りから中道寄りの路線に移行し、支持率を大きく伸ばした。
共和党が惨敗した06年11月の中間選挙でも、圧倒的な強さで再選を勝ち取った。
だが民主党議員と協力したり、温暖化対策や国民皆保険制度を提唱したりしたため、共和党内では
彼を批判する声もあがっている。しかしシュワルツェネッガーはこう言い切る。 「私たちは、市民に
仕えるために選ばれた。党に仕えるためではない」
信念を変えずに新しい政策を実現する知事の手腕から、共和党の候補者たちが見習うべきことも
多いはずだ。知事は燃費の悪い四輪駆動車ハマーを運転しているが、愛車の燃料を水素ガスに
替えることで、環境保護に積極的という評価を維持している。また医療制度改革を推進しながらも、
本人に禁煙する様子はまったくない。 「リーダーシップとは、人々を説得する力だ。ある政策に賛成の
人が30%で、反対が70%だとする。でもその政策が正しいと確信するなら、人々を説得し、この数字を
変えるのが政治家の仕事だ」
フィナンシャル・タイムズ (UK)より
http://courrier.hitomedia.jp/contents/2007/12/post_232.html