プーチン院政確立への大きな布石と言っていい。
ロシアのプーチン大統領が、来年3月の大統領選の与党候補として、メドベージェフ
第1副首相(42)を指名した。
先の下院選で、与党「統一ロシア」を圧勝に導いたように、プーチン大統領の人気と力は
絶大だ。その大統領の指名を得たことで、メドベージェフ氏がロシア次期大統領に選出
されるのはほぼ確実な情勢となった。
プーチン大統領が影響力を維持する限り、北方領土問題を含む対日政策にも大きな変化は
ない、と見られる。今は、隣国の政治動向を、じっくりと見極める時だろう。
メドベージェフ氏が後任候補に指名された最大の理由は、氏が、「従順な後継者」と
認められた点にある。
来年5月の任期切れの後にも、政治的影響力を残したいプーチン大統領にすれば、自身への
忠誠心を失わない人物が最も望ましい。その点、側近中の側近として大統領と行動を共に
してきたメドベージェフ氏は、プーチン大統領の意にかなったのだろう。
氏の後継指名の理由は、これだけではなさそうだ。
ここ数か月、政権内では激しい権力闘争が展開されてきた。特に、政権の中枢を担う治安・
国防関係省庁出身者の間における抗争は、プーチン大統領にも抑えられないように見える
ほどだった。
各陣営は、プーチン後継候補として、それぞれズプコフ首相やイワノフ第1副首相を後押し
していた、とされる。
これらの候補を指名したら権力抗争に歯止めがきかなくなるかもしれない。そんな危惧(きぐ)
も抱いて、大統領は、これらの陣営から距離を置くメドベージェフ氏を指名したのではないか。
メドベージェフ氏は、民主化推進の重要性に言及している。経済政策では市場重視の立場を
表明してきた。このため欧米からは、プーチン政権内では相対的にリベラルな人物と目されて
きた。だからといって、氏の後継指名を手放しで歓迎するのは時期尚早だろう。
プーチン大統領は、豊かなエネルギー資源を背景とした経済拡大と、対外的には強いロシアを
前面に押し出す大国化路線を追求してきた。
メドベージェフ氏も、少なくとも短・中期的には、同じ路線を継承するものと見られる。氏は、
天然ガス企業体「ガスプロム」の会長を兼任し、ロシアのエネルギー外交を主導してきた。
大国を志向するプーチン大統領の考え方と、ほぼ重なるように見える。
ソースは
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071211ig91.htm 関連スレは
【ロシア】プーチン大統領、メドベージェフ氏を後継指名[12/10]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1197293668/l50 など。