★タイ国鉄のスト、軍政内紛の飛び火説も
タイ国鉄(SRT)の労働組合が10月31日、事前通知なしに全国規模のストライキを決行し、通勤、
通学客ら約2万人と貨物輸送に影響が出た。ストは同日中に終息したが、労組が掲げるストの
動機に説得力がなく、タイの新聞各紙は、軍政の内紛が飛び火した可能性を指摘している。
タイの国営企業ではストが禁止されているため、SRTの一部職員が31日に病欠したり職場
放棄する形で列車の運行を止めた。労組はスト決行から数時間後、11月1日の日本・タイ経済
連携協定(JTEPA)発効を受け、政府がSRT貨物部門の民営化を計画していると主張。民営化の
撤回と、経営陣の汚職疑惑の捜査などを要求した。運輸省、SRTが労組の要求をほぼ全面的に
受け入れ、バンチャーSRT総裁代行を解任したことから、同日夜、ストの中止に同意した。
政府によると、SRTの民営化計画は今のところなく、JTEPAとは無関係。汚職疑惑も以前から
表ざたになっている問題ばかりだった。突然のストを正当化する理由が乏しいことから、運輸
行政をめぐりティーラ運輸相(元海軍司令官)らと激しく争ったバナウィット国防省顧問(海軍大将)の
関与を疑う声もある。バナウィット氏はクーデター勢力の強硬派に属し、スラユット首相らと対立。
10月付で国防副次官から顧問に左遷され、この人事を不満とし、首相とブンロート国防相を告訴した。
SRTは鉄道の総延長4300キロ、職員数2.6万人。運賃を低く抑える政策のため慢性赤字で、2005年
10月―2006年3月決算は総収入44億バーツ、最終赤字26.7億バーツだった。06年3月末で累積
赤字349億バーツ、負債669億バーツを抱える。
2007/11/ 4 (00:35)
http://www.newsclip.be/news/20071104_016155.html