★故フォード元大統領の非公式談話刊行、副大統領などに言及
昨年死去したフォード元米大統領が、非公式に記者に語った談話を記した「Write It When I'm Gone」
(わたしが死んだら書いてくれ)が、30日に刊行される。CNNは同著を事前に入手し、著者である
ニューヨーク・デーリー・ニュース紙ワシントン支局長のトーマス・デフランク記者にインタビューした。
デフランク記者は米誌ニューズウィークの記者時代、副大統領から大統領に昇格したフォード氏を
取材するなかで、信頼関係を築いた。フォード氏は1991年、自身が死ぬまで内容を公にしないという
条件で、デフランク記者と個人的に会話するようになった。
デフランク記者によると、フォード氏は前回の米大統領選が行われた2004年、当時共和党の
副大統領候補だったチェイニー副大統領がブッシュ大統領の「重荷」になる恐れがあるとして、
公認を外すべきだとの認識をにじませた。フォード氏は政権時代にホワイトハウス職員だった
チェイニー副大統領を、後輩として気に入っていた。2004年、フォード氏は共和党内部から、
チェイニー氏を公認候補から外す動きがないか電話で尋ねられたことをデフランク記者に
明らかにして、「まるで(チェイニー氏外しの)実現に手を貸して欲しいような口ぶりだったが、
わたしは乗らない」と語った。
しかし、チェイニー氏が重荷になったと思うかとデフランク記者から追及されると、フォード氏は
肯定し、チェイニー氏の代わりに公認候補になる可能性があるのはジュリアーニ前ニューヨーク
市長だと語った。フォード氏は晩年にも、08年の米大統領選でジュリアーニ氏が最有力候補に
なるだろうとコメントしていた。
フォード氏はまた、民主党のヒラリー・クリントン上院議員を、夫のビル・クリントン前大統領より強いと
個人的に高く評価。ただ、ヒラリー議員の政治手腕を称賛したものの、政治哲学には余り
感心しておらず、フォード氏は同議員を「際限ない野心を持った古いタイプのリベラル派」と
位置づけていた。
フォード氏はクリントン前大統領についてさらに複雑な感情を抱いており、政治家として最も純粋だと
する一方、セックス中毒の治療が必要だとコメントしていた。同記者はCNNに対し、フォード氏が
薬物とアルコールの中毒症状と戦う妻を間近に見ていたことを踏まえて、「フォード氏はクリントン
前大統領が救いを必要としていると考えていた。フォード氏は報復など考えつかない人柄だったので、
中毒発言は心から出たことばだ思う」と語った。
チェイニー副大統領とクリントン前大統領は、デフランク記者の著書について今のところ何も
コメントしていない。
2007.10.29 Web posted at: 18:17 JST - CNN
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200710290023.html