パーキングメーターをホームレス救済制度に活用 米デンバー
米連邦政府の職員であるクリスティン・ベルティンさん(57)は金曜日の午後になると、卓上貯金箱を
空にしてその小銭を近くのパーキングメーターに入れる。駐車時間が超過したわけではない。
コロラド州デンバー市のホームレス救済策の一環として、今年3月に取り入れられた募金制度だという。
パーキングメーターを使ったホームレス救済制度は昨年秋、メリーランド州ボルティモア市が開始。
その後、ニューヨーク、デュランゴ(コロラド州)のほかアイルランドのダブリン、カナダのトロント、
モントリオールなど国内外の20都市に広がっている。
デンバーは3月に36基のメーターを寄付用に改造、今秋には50基を追加し国内最大規模になっている。
投入された硬貨はホームレスの保護施設、住宅、就職相談、衛生管理などの費用に充てられる。
もっとも、この募金の総額はデンバーの場合、6カ月で8446・50ドル(約97万円)で官民合わせた
年間のホームレス対策費7000万ドルに比べると微々たるもの。
狙いはむしろ住民のホームレス救済意識の向上にある。
路上での物ごいに与える金額は年間450万ドルとみられ、その99%がアルコールや麻薬などの
自滅的な消費に回されるという。
ジョン・ヒッケンルーパー・デンバー市長は「食べ物やカネを恵むことは有害であることが分かった。
永久的な住まいや職を与えることが必要なのだ」と説いている。
2007.10.19 23:33
(c) 2007, USA TODAY International. Distributed by Tribune Media Services International.
http://sankei.jp.msn.com/world/america/071019/amr0710192333005-n1.htm