精神異常の女性を二年間にわたり拘束、虐待していた牧師の夫リベイロと宣教師の妻リオマルが
九日、ブラジリアの首都圏警察により逮捕された。警察によると、夫婦はブラジリアから三十キロ
離れた、首都圏内で最も貧しい町の一つに数えられるセイランジア市にキリスト教ペンテコスタル派
の教会を設け、教会を利用、金儲けにに専念していた。匿名電話で夫婦の悪事を知った首都圏警察は、
同市郊外の田園にある同教会の私設監禁所を襲撃、監禁されていた女性コインブラさん(三〇)を救出した。
コインブラさんは強度の栄養失調でやせ細り症状が進行、体のあちこちに機能障害を起こしていた。
灼熱した電気アイロンを背中や胸に当てられたためにできた火傷、夫婦から受けた拷問の跡など哀れな
痛ましい姿で助けられた。コインブラさんは腰部がげっそりとやせ細っていたが、これはベッドではなく
硬いセメントの床の上に二年間も寝続けていたために起こったようだ。夏冬を問わず不潔なショール一枚
だけが掛け布団だった。
事件担当の首都圏警察のライムンド署長によると、夫婦は教会を表看板に、貧しい信者を搾取していた
徴候がありありと見える。捜査担当刑事は、夫婦が襟につけていた宣教師と書かれた小型バッジを発見し押収。
また夫婦は政府の援助資金を得るための申請書に、監禁していた女性コインブラさんのことを、恵まれない
哀れな状態の女性と登録、政府の援助を得る道具に利用していた節がある。警察はさらに監禁所にいた
三人の少年を補導したが、一人はコインブラさんの息子ガブリエル(九)で、二人はガブリエルを虐待していた
ことを隠蔽、政府の養育資金を得るためガブリエルの名前を変更、孤児として再登録していた。残る二人は
ラクェル(一四)とタリタ(一一)で、二人は似非宗教家に利用され不安定な生活を過ごしていたが、ブラジリア
の少年裁判所はガブリエルと共に二人を収容施設に保護した。コインブラさんは現在、セイランジアの病院
に入院しているが健康状態はよくない。
警察によると、夫婦は教会を悪用、金儲けに利用し、抵抗できない女性や子供に対する悪質な虐待、公文書偽造、
詐欺などの罪で少なくとも十五年の刑に処せられる。(十一日付エスタード紙より)
ソース:Sao Paulo - Shimbun 19/10/2007
http://www.spshimbun.com.br/content.cfm?DA_N_ID=12&DO_N_ID=19430