ラフード大統領の任期満了に伴うレバノン大統領選が、25日から始まる。
反シリア派与党議員の相次ぐ暗殺などで与野党の対立が深まるなか、2カ月間
の選出期間中に妥協しうる大統領候補を擁立できるかどうかが焦点だ。
新大統領が選出できなければ、首都の東西に分かれて二つの内閣が存立した
80年代末の混乱の再現も懸念される。
ベイルートの街には24日、多数の装甲車が配置され、兵士が通行車両を一台
ずつチェックしていた。厳戒態勢が敷かれた理由は、暗殺警戒だ。
05年2月にハリリ元首相が車爆弾で暗殺されて以降、反シリア派の与党議員
が相次いで暗殺された。昨年11月のジュマイエル工業相、今年6月のワリード
・アイド議員、そして今月19日のアントワン・ガネム議員。「相次ぐ暗殺で
与党を過半数割れに追い込む」。そんな「恐怖のシナリオ」すらささやかれて
いる。
市内の教会で21日にあったガネム議員の葬儀には、1000人以上の市民が
参列した。学生のアルマン・フーリさん(20)は「反シリア派与党議員を
威嚇するための暗殺だ。恐ろしくて外を出歩けない」と憤る。
一方、25日に国会が開かれる予定の政府庁舎地区のすぐそばでは昨年12月
から野党支持者らがテントを張り、シニョーラ政権打倒を訴えて座りこみを
している。野党のイスラム教シーア派ヒズボラなどは、昨年11月に閣僚が
政権離脱。野党アマルを率いるベリ国会議長も「政権は正統性を失った」と、
国会招集を拒否する異常事態が続く。
市民が恐れているのは、悪夢の再現だ。75〜90年の内戦末期の88年、
大統領選が実施されないままキリスト教徒中心の暫定内閣と、親シリア派の
首相代行の内閣が並立。東ベイルートのキリスト教政権軍と、西ベイルート
のイスラム教徒とシリアの連合軍が市街戦を繰り広げた過去がある。
国会内の勢力図をみると、米国やサウジアラビアが支援するシニョーラ政権・
与党連合は68議席。シリア・イランが支援する野党連合は59議席で、
どちらも単独では大統領選成立のための定足数に届かない。
大統領選を控え、与党側は現大統領のいとこナシーブ・ラフード元駐米大使や
リズク法相らが立候補の意欲を表明。野党側は内戦末期の暫定内閣首相を務め、
反シリア闘争に敗れてフランスに亡命、05年に帰国したアウン元国軍司令官
が名乗りをあげる。
与野党が妥協しうる候補として、北部ナハル・アルバーリド難民キャンプ周辺
での武装組織ファタハ・イスラムとの戦闘に「勝利」し、国民的人気が高い
スレイマン国軍司令官の名が取りざたされている。
ニュースソース:朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/0924/TKY200709240196.html 関連スレ
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