「米欧露の集団指導」提唱 露外相、米“一極支配”を批判
ロシアのラブロフ外相は3日、外交官養成を目的とするモスクワ国際関係大学
(MGIMO)で演説し、米国と欧州、ロシアの3極による「集団指導体制」
が世界秩序を形成すべきだと提唱した。
外相はいわゆる「冷戦回帰」こそ否定したものの、経済力の回復を背景に
プーチン政権が推し進める「大国路線」を改めて強く打ち出した。
外相は米欧露による集団指導体制を「トロイカ」(3頭立ての馬車)などと称し、
「トロイカは世界というボートを導くことができる」と主張。
「米露間に制度的な矛盾はなく、米国はもはや敵でない」とする一方、「世界は
均衡を必要としている」と米国の“一極支配”を批判した。
そのうえで外相は、セルビアからのコソボ自治州の独立問題や米国による東欧へ
のミサイル防衛(MD)施設の配備計画がロシアの安全保障と国際秩序を脅かす
「枢要な問題だ」と強調。
これらの問題で「ロシアは取引しないことをパートナーは理解すべきだ…最後まで
自らの立場を主張しないわけにはいかない」などと述べた。
コソボ問題をめぐり、セルビアと関係の深いロシアは、米欧が主導するコソボ
早期独立案に強硬に反対。米国のMD配備計画に対しても、「MDはロシアに
向けられたものだ」と猛反発し、米露関係は冷戦後で最悪の水準に冷え込んで
いる。
ニュースソース:Yahoo!ー産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070904-00000057-san-int