【パキスタン】ムシャラフ大統領、再選へ野党との協議本格化[09/03]

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1飛び出せ!! 釣り仲間φ ★:2007/09/03(月) 23:15:21 ID:???

政治危機に陥っているパキスタンのムシャラフ大統領が、総選挙前の大統領再選
を目指し、野党勢力と協力協議を本格化させている。

相手は、最大野党「パキスタン人民党」総裁でロンドンに亡命中のブット元首相
と、野党第3党「イスラム教徒連盟ナワズ・シャリフ派」総裁で国外追放中の
シャリフ元首相。

大統領の狙いは、選挙を経ない国会での大統領再選を禁じる憲法の改正に必要な、
「3分の2」の議席数だ。

しかし、足元を見透かす両元首相のいずれかと組めば、危機はさらに深まるとの
見方が有力だ。

大統領と協議を続けるブット氏は8月29日、AP通信に「大統領が陸軍参謀長
辞任で合意した」と語り、ムシャラフ氏との間で「権力分担」で合意したことを
明らかにした。

しかし大統領は30日、民放テレビの討論番組に出演し、「(大統領の)権力を
削るという話はしていない」とブット氏をけん制した。

一方で大統領周辺者は、最高裁に帰国が認められ10日に帰国を表明したシャリフ
氏との協力協議を「開始した」と語った。ブット氏は1日、ロンドンで会見し
「14日に帰国日を発表する」と大統領を揺さぶった。

ブット、シャリフ両氏の狙いは、とりあえず大統領と協力して「首相」の座に返り
咲くこととみられる。過去に両氏は反ムシャラフで共闘姿勢を見せたが、首相の
座は一つしかない。現在は協力の意向は示さず、パキスタン政界は「三者三すくみ」
の状態だ。

ムシャラフ大統領が両氏と接近を図っているのは、米国が言う「公正公平な選挙」
が実施されれば、政権与党は過半数を大幅に下回ることが確実なためだ。

大統領は国会議員による投票で選ばれる仕組みだが、憲法に従って総選挙後に
大統領選を行えば、再選は絶望視されている。

大統領が両氏率いる野党勢力との協調路線を模索し始めたきっかけは、3月に職務
停止処分にしたチャウダリー最高裁長官の復職だった。長官は大統領の憲法無視の
姿勢に真っ向から対立。大統領は長官の復職で「憲法順守」を余儀なくされた。

野党第2党のイスラム原理主義政党「統一行動評議会」は、アフガニスタン国境
付近を拠点としており、この地域で過激派の掃討を続ける大統領が組める相手
ではない。
>>2-10あたりに続きます)
ニュースソース:毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20070904k0000m030124000c.html
2飛び出せ!! 釣り仲間φ ★

>>1の続き)

そこで、帰国と権力への返り咲きを熱望する両氏にそれぞれ接近を図り、常に一方
をけん制しつつ交渉を進める戦略を選んだ。

99年のクーデターで政権に就いた大統領の政治基盤は弱い。01年9月の米同時
多発テロ後に米国への協力に転換した後、国内の反政府分子を抑え込むため大統領
権限を拡大し、「力」に頼る政治を続けた。大統領への反発から、国民の間に
「民主主義の代弁者」として両元首相への待望論が台頭した。

大統領にとって、ブット氏らが求める通り陸軍参謀長を辞任して大統領に再選
されても、総選挙で与党勢力が敗北し、政治的立場はさらに弱まる可能性が強い。
また軍の後ろ盾を失い、失脚どころか暗殺など命の危機すら強まる。

大統領が再選を果たした後、総選挙を強権的に延期する可能性も指摘されている。

(了)