【日本・ロシア】ニコライ大主教、日露の狭間で苦悩… 日本での布教日記刊行[09/03]
■明治の生活いきいき
東京・神田駿河台のニコライ堂(東京復活大聖堂)にその名を残すロシア正教の
ニコライ大主教(1836〜1912)が、日本での布教活動を詳細に記した
約40年分の日記の全訳「宣教師ニコライの全日記」(全9巻、9万9750円)
がこのほど、刊行された。
日記には一時帰国の際に文豪ドストエフスキーと対面したときの印象や、日露戦争
開戦時に日本に残ったものの両国の狭間で苦悩する日々、さらに日本の庶民の生活
などがいきいきと描かれている。
日記の原本は、関東大震災で焼失したと考えられていたが、大妻女子大の中村健之介
教授が79年、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の歴史古文書館にある
のを突き止め、18人の訳者とともにようやく全訳を果たした。
中村教授によると、ニコライが来日したのは文久元年(1861年)。函館を
足がかりに新島襄らと交流した後、東京に拠点を移し、明治24年(1891年)
にニコライ堂を建立した。
同年、「大津事件」で負傷したロシア皇太子(後のニコライ2世)を見舞ったと
される。日露戦争時も、宣教団責任者として敵国日本に残り、各地の捕虜収容所
にいたロシア人兵約8万人の慰安に努めた。
明治45年(1912年)に死去、遺体は東京・谷中の墓地に葬られた。
「ニコライは漢文やお経、古事記が読めるほど日本語を学び、浄土真宗に共感を
持っていた。日記を読むと、大規模な集会を開いて宣教するのではなく、農民など
庶民の間に入っていき、日本人のメンタリティを保持しながら信仰することを
認めていたことが分かる」(中村教授)という。
ニコライ死去前年の明治44年の信徒数は約3万2000人、教会は265を数えた。
日記を出版した教文館の渡部満社長は「当時のカトリック教徒の規模に匹敵する。
革命でロシアからの資金が閉ざされたために衰微したが、明治期にニコライが
精力的に布教に努めたことが分かる。日本の(ロシア)正教受容の実態に光を
当てる貴重な日記だ」と話している。
(日記の抜粋は
>>2-10あたりに続きます)
ニュースソース:Yahoo!ー産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070903-00000927-san-int
(
>>1の続き)
◇ニコライの日記から
■1880年6月1日モスクワ
ドストエフスキーが来ていて、会った。…日本については「あれは黄色人種です
からね。キリスト教を受け入れるにあたって何か特別なことはありませんか」と
訊いた。やわらかみのない、よくあるタイプの顔。目が熱っぽく輝いている。
■1893年4月21日敦賀
信心深い日本人はその仏壇の中を信仰にふさわしい状態に保つためによく気を
配っている。…ここから偶像を追い出して、イコンを納めるために仏壇を
使わない理由があろうか?
■1904年1月24日
日本の天皇がロシア公使ローゼン男爵に対し日本退去を命じたというニュースの
載った号外を持ってきた。つまり、日本とロシアとの戦争が始まろうとしている
ということだ。…いかにすべきか。利己心からいえば、ロシアへ帰りたい。
■同年1月25日
(信徒を前に)あまりにも若いこの教会を監督もせず放置してしまうというひそかな
欲求を自分が持ったことで、良心が痛んだ。それで、わたしは断固として、かつ
喜んで、留まる決心をした。
■同年2月6日
日本の新聞も英語の新聞も…すべてが、日本礼賛と、ロシアは今度の日本との衝突
において不利な状態にあるという意地悪い喜びとで、満ち満ちている。…どの国も
ロシアを憎んでいる!
■1906年3月2日
報告書も仕上げ…捕虜のために寄付してくれた者全員に送る。…最大の支出は…
捕虜たち、とくに病人や負傷者に与えた防寒着代だった。
(了)
>全9巻、9万9750円
高すぎ
4 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 15:56:36 ID:BTViQAeS
学校の図書館にrequest出すとするか。
5 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 15:59:21 ID:vHxrcc1Z
ニコチャン大魔王がなんだと?
>>ロシア公使ローゼン男爵
さすがロリータの国
8 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 16:00:42 ID:kAmv9V9x
‡
この本、めっさ読みたい。
明治天皇に誉められた人か
11 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 16:12:59 ID:fvmTs0Qz
ドストエーフスキーの印象めっちゃ気になるわ。
12 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 16:15:36 ID:JHerMYET
こういう価値ある本が評価されて欲しい
13 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 16:15:52 ID:zjPAW+qc
■同年1月25日
(信徒を前に)あまりにも若いこの教会を監督もせず放置してしまうというひそかな
欲求を自分が持ったことで、良心が痛んだ。それで、わたしは断固として、かつ
喜んで、留まる決心をした。
■同年2月6日
かゆい かゆい スコット― きた
ひどいかおなんで ころし
うまかっ です。
■1906年3月2日
かゆい
うま
読んでみたいけど値段がなぁ…
15 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 16:43:51 ID:K4aZ6r0V
ふつう買わんだろ、この手の資料集は。
研究者向けだろ
17 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 17:07:04 ID:g18ibUBR
大学図書館と、市の中央図書館にあればいい。そうすれば、興味ある場所だけ読める。
つか、研究者が、抜粋した解説本を出してくれたら、もっといい。
それにしても、万事お金の話ばかりに成り果てた大学業界で
こういう地道な仕事をしてくれる本物の学究が生き延びてくれていることに、脱帽。
大妻女子大学、まともじゃん。
>全9巻、9万9750円
Zipでくれ
19 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 18:23:01 ID:ConFHofA
抜粋でいいから1500円くらいで出してくれれば買う
20 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 19:18:08 ID:2EN1Oj+/
キリスト教きんもーっ☆
>>17 >万事お金の話ばかりに成り果てた大学業界
ほんとそうだよね……。
趣味で民俗学的なものをやってるが、知り合いの先生たち嘆いてた。
大学の持ってる古文書等々を資料館とかに貸し出して、銭貰うか……
とか相談してたし。
レベルの低い文系の世界でまともな人もいるんだねえ
>>21 うまく、解説本みたいな軽い読み物シリーズ作って売れないかねえ。
負担なのはわかるんだけど。
そういや、ゼミの指導教官だった駆け出しの助教授は、
しょっちゅう編集に缶詰めにされてたな。
>>23 そういうの手伝ってる。冠婚葬祭のマナー系の本とか。
それなりに売れるんだけどね。
大学サイドは、社会学部系を統廃合したいようだし。
25 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 20:42:24 ID:xTMaYUt0
ドフトエフスキーのこと嫌ってそうだなこのオッサン。
>>2を読んで判るとおり、一般人は9巻読み通す根気を出さないだろう
どうせ研究用ならCDROMにすりゃ良いだろうが、
本にすれば何十人かは寄付のつもりで買ってくれるんだろうね
27 :
七つの海の名無しさん:2007/09/03(月) 23:00:27 ID:r+2dtApD
グーグルブックにも載せてくれないのかな。
面白い所を抜粋して東洋文庫に入れてくれ。
29 :
七つの海の名無しさん:2007/09/04(火) 22:21:38 ID:glodrbQu
翻訳出版に漕ぎ着けた先生方の努力には、アタマが下がる思いだ。
怠惰なわけではないが、時間の足りない日本の多くの読者のために
もうひとふん張りして、抜粋本をぜひ出版していただきたい。
30 :
七つの海の名無しさん:
1巻1万ちょいなら資料本ではそんなもんだよ
図書館に頼むしかないが