アフガニスタンの首都カブールで9日から開かれていたアフガン、パキスタン両国共催の
「平和会議」は12日、アフガンの旧支配勢力タリバンや国際テロ組織アル・カーイダに
拠点や軍事訓練キャンプを提供しないことをうたった宣言を発表、これを担保する常設
機関の新設などを決めて閉幕した。
両国が2001年末のタリバン政権崩壊後、この種の会議を開催するのは初めてだが、
カギを握るパキスタン側から欠席者が続出するなど、実効性に疑問も残る宣言となった。
対テロ常設機関には両国国境沿いの部族長老ら各25人が参加し、イスラム過激派の活動
監視や情報交換などを行う。
宣言にはまた、反政府主義者との対話による和解や、テロリストの資金源となっている
ヘロインの原料となるケシ栽培や密輸の根絶も盛り込まれた。
タリバンが息を吹き返した昨年春以降、米軍や北大西洋条約機構(NATO)軍を中心とした
駐留外国軍は兵員を約5万人にまで増強、アフガン国軍とあわせ、兵力では圧倒的優位に
立つものの、最大の問題は、タリバンがパキスタン領内に拠点を持つため、追い詰めることが
出来なかったことだ。
この点に関し、パキスタンのムシャラフ大統領は閉会式で、「アフガンで活動するイスラム
武装勢力がパキスタン領内から支援を受けているのは疑いの余地がない」と述べ、パキスタンが
タリバンの出撃拠点となっている事実を初めて公式に認め、掃討に向け、アフガンと協調していく
姿勢を示した。
ただ、発言とは裏腹に、ムシャラフ大統領がどこまで本気で取り組むかは疑問が残る。
今回の会議の開会式には、出席の意向を示しながら、直前に欠席。閉会式も、アフガンの
カルザイ大統領の電話による説得や米国の圧力を受け、ようやく出席を決めたほどだ。
ムシャラフ大統領は「(パキスタン、アフガン)両国はテロに対処するため、信頼や協力以外の
選択肢はない」と強調してみせたが、アフガンの治安悪化をめぐる両大統領の「責任の
押し付け合い」は、現在も続いている。
さらに、親タリバンのイスラム武装勢力の活動が活発なパキスタン政府直轄部族地域
北、南ワジリスタン地区の長老や同国のイスラム原理主義政党幹部ら、タリバンに直接
影響力を持つ人物が相次いで会議参加を拒否したことも懸念材料だ。
平和会議には350人が出席、発言者が予定より多くなったことから、日程を1日延長した。
(2007年8月13日23時15分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070813id25.htm 【パキスタン】アフガン会議に一転出席へ ムシャラフ大統領[08/11]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1186823402/ 【パキスタンとアフガニスタン】ジルガ'(大会議)波乱含み 戦闘部族出席拒否 [8/7]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1186478245/ 【アフガニスタン・パキスタン】両大統領、今週中に会談 武装勢力について話し合う[08/06]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1186417953/