イラクのマリキ首相が、がけっぷちに立たされている。今月に入って閣僚の辞任や
ボイコットが相次ぎ、閣僚37人中17人が不在という異常事態だ。
米国の反対を押し切って、国会は9月初旬までの夏休みに突入。同15日のイラク
駐留米軍司令官らによる米議会への情勢報告期限までに、ブッシュ政権が強く
求める石油法案などの「宿題」を仕上げるのは、ほぼ絶望的な情勢だ。
首相を支えるイスラム教シーア派の中からも、反米強硬派のサドル師派閣僚6人が
「マリキ氏が米軍撤退日程を示さないのが不満」としてすでに離脱していたのに続き、
今月1日にはスンニ派有力政党「イラク合意戦線」の閣僚6人が辞任を表明。
マリキ氏は辞任受け入れを拒否して復帰を呼びかけているが、さらに世俗派
アラウィ元首相派の閣僚5人も「政治参加や治安対策をめぐる要求をマリキ氏が
無視した」(同派議員)として6日から閣議ボイコットを始め、追い打ちをかけた。
マリキ氏の求心力の低下は明らかで、アラウィ氏やジャファリ前首相らが「マリキ後」の
政界再編に向けて水面下で動き始めている。
アラブメディアによると、ブッシュ米大統領は最近、イラクのタラバニ大統領と電話会談
し、マリキ政権閣僚の相次ぐ離脱に懸念を表明。「米国は、マリキ首相よりもイラクの
政治プロセスへの支援に関心がある」と、首相を見限るような発言さえしたとされる。
米議会でのイラク情勢報告を目前に控え、米側からは「ワシントンの時計の針は、
バグダッドの時計よりも断然速く進む」(クロッカー駐イラク米大使)といった焦りの
声が漏れ始めた。
ニュースソース
http://www.asahi.com/international/update/0811/TKY200708110221.html 関連スレ
【イラク】イラク政府からスンニ派会派が政権離脱……マリキ政権は窮地に[08/01]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1186003611/l50