モラン仏国防相は3日、リビアと仏企業との間で総額2億9600万ユーロ(約482億円)に上る
対戦車ミサイルと通信システムの購入契約が調印されたと認めた。リビアが大量破壊兵器を放棄し、
欧州連合(EU)が04年に対リビア武器禁輸措置を解除して以来、欧州から初の武器売却契約となる。
契約によると、リビアは対戦車ミサイル1億6800万ユーロ相当を欧州武器製造企業MBDAから、
通信システム1億2800万ユーロ相当を欧州航空防衛宇宙企業EADSから購入する。
リビアの最高指導者カダフィ大佐の息子でカダフィ財団総裁のサイフ・カダフィ氏はリビアが拘束していた
ブルガリア人看護師らを7月24日に解放したことと契約を結びつけ、仏社会党は「裏取引があった」と
サルコジ大統領を追及しているが、ゲアン仏大統領府事務総長は「取引説」を否定している。
フランスなどの働きかけを受けて解放されたのは、リビアの子供らにエイズウイルス(HIV)を感染させたとして
死刑判決が確定、その後、無期禁固に減刑されたブルガリア人看護師5人とパレスチナ人医師1人。
サルコジ大統領のセシリア夫人が交渉役としてリビアに派遣された。サルコジ大統領は看護師らの
ブルガリア帰還直後にリビアを訪れ、同国との間で原子炉建設などの協定に調印した。
サイフ氏は仏ルモンド紙のインタビューで「事件決着を機にフランスからの武器大量輸入の道が開けた。
武器製造工場建設の計画もある。合意の核心は原子炉でなく、広範な防衛協定だった」と指摘した。
仏社会党のオランド第1書記は「看護師らの解放の裏に何があったのか。交換条件がなかったなら、
長期独裁のカダフィ政権との間でなぜ武器契約が調印されるのか」と疑問を投げかけている。
ソース 毎日新聞 2007年8月4日 21時56分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20070805k0000m030079000c.html 関連スレは
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