【コラム】反感から絶滅へ なぜ若者は自爆テロ犯になるのか=英F.T紙 [7/11]
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◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7cφ ★:
孤立に始まり殺害に至る なぜ若者は自爆テロ犯になるのか――フィナンシャル・タイムズ
http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20070711-01.html 原語ニュース:From alienation to annihilation(フィナンシャル・タイムズ 2007年7月6日初出)ロンドン=スティーブン・フィドラー
http://www.ft.com/cms/s/80938c40-2bde-11dc-b498-000b5df10621,dwp_uuid=93edff70-2bd7-11dc-b498-000b5df10621.html どうして、あんなことをするのか。中には将来有望な者もいるのに、どうして青年たちは自爆
テロ犯になるのか。
自爆テロ犯の家族や友人や隣人を何十人と取材してきた米研究者スコット・アトラン氏は、
ひとつの共通項があると指摘する。それはつまり、世間の注目だ。「テロ行為とそれ以外の
暴力行為の違いは、世間の注目があるかないか」
テロ攻撃が起きると世間が注目する。政府は過剰反応する羽目になり、マスコミはテロリストを
スター扱い。テロ犯は仲間内で英雄となる。アトラン氏がモロッコの都市テトゥアンで低所得層の
住むメズアク地区を取材し、子どもたちに話を聞いたところ、子どもたちは将来、ブラジルの
サッカー選手ロナウジーニョになりたい、さもなければオサマ・ビンラディンになりたいと答えたという。
メズアク地区の人口は1万9000人。しかしモロッコ当局は、この地区から少なくとも30人が
イラクへ行き、自爆テロ犯となったと見ている。30人のうち11人は、米当局から送られてきた
DNA標本から、確かにメズアク地区の出身者だと確認されている。さらに、2004年のマドリード
列車爆破テロの犯人7人のうち、スペイン警察に追いつめられて自爆した5人は、やはりメズアク
出身だった。
マドリードのテロ犯や、ほかの自爆テロ犯たちにはこのほかにも、あまりに特徴的すぎてほとんど
見過ごされがちな、大きな共通項がある。つまり彼らは、グループに属している。それが共通項だ。
テロリストの「セル(細胞)」というのはつまり「同胞の集り」、あるいは「男たちの集団」だと解釈して、
その前提でメンバー同士のやりとりを観察するのが、一番理解しやすいと言う研究者もいるほどだ。
アトラン氏と共同研究者2人は今年3月、こうしたテロリスト・セルについて報告書をまとめ、
ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)のスタッフに提出した。その報告の概要は、「聖戦の
ために自分を捧げたいと考えている数百万人のうち、実際に誰が本当に暴力行為を起こすことに
なるのか。それを決定するのは、テロ犯の性格でも思想でも教育でも収入でもない。主な決定
要因は、小さな集団内の人間関係の力学だ」と指摘している。
アトラン氏は現在、米中央情報局(CIA)出身のマーク・セージマン氏と共同で、テロ組織についての
データベースを構築中だ。データベースに集めている情報は、裁判記録や聞き取りの成果など。
こうしたデータを集めて分析した両氏の現時点での解釈は、これまでの通説と食い違うこともある。
たとえばテロリストというのは組織のメンバーを組織の中で説得・転向して、実行犯にするのが
常のようだとアトラン氏。通説で言われてきたような、組織トップが外部からテロ要員を一本釣り
してきたり、首謀者を洗脳したりするというやり方については、証拠がみつからないという。
テロリストの約70%は友達に誘われてテロ組織に参加しているし、約20%は親類・血縁者に
誘われている。理想的な「セル」の規模は8人で、15〜30歳の間に友達になった者同士で
構成される。
若者が社会的に阻害されていたとしても、それ自体はテロリストになる要因ではないという。
セージマン氏が2004年に行った調査によると、聖戦のためとして自爆テロをした「ジハーディスト
(聖戦士)」の70%以上は、中流や上流家庭の出身だった。英国のロンドンやグラスゴーで起きた
テロ事件に関与していたとされるグループがそうだったように、自爆テロ犯の40%以上は、教師や
弁護士、医師などの専門職についていた。
テロ組織の中では多くの場合、過激な言葉を過激な行動に移し替える役割を担った、指導者的な
存在がいるという。この人物は、グループ内でいちばん信心深い者ではないことが多い。マドリード
事件のグループではおそらく、ジャマル・アーミダンがこれにあたる。彼はキリスト教徒を妻にもつ、
悪名高い麻薬の密売人だった。
>>2に続く
2 :
◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7cφ ★:2007/07/11(水) 12:58:07 ID:???
>>1から続く
ではそういうグループに参加した後、何がどうなってテロや自爆攻撃の実行につながっていくのか。
米ウエストポイント(陸軍士官学校)の上級アナリスト、クリストファー・ヘフェルフィンガー氏は、
テロへの道には4つの段階があると分析した。
(1) グループと出会う、(2) 過激な教義に没頭する、(3) まずは平和的に変化をもたらそうと努力する、
そして最後に、(4) 非暴力から暴力へと移行する――という4つだ。
一方でセージマン氏は、「ジハーディスト(聖戦士)」には3つの世代がいると指摘する。第1世代は、
アフガニスタンのムジャヒディーン(聖戦士)。第2世代はもっと若い、教育を受けた青年たちで、
たとえばドイツ・ハンブルクで9/11の米同時多発テロを計画したグループがそうだった。第3世代の
多くは、中程度の技術しかもたない、あるいは社会から取り残された人々で、たとえばマドリードの
列車爆破や2005年7月7日のロンドン同時多発テロの実行犯たちがこれにあたる。
こういう分類の仕方でいくと、ロンドンとグラスゴーのテロを首謀したとされる「医療セル」は、
第2世代の最新版のようにも見える。当初報道によると、容疑者のひとりは2004年に渡英する前に
すでに過激思想に染まっていた模様だ。グループのほかの4人とは、ケンブリッジ在住中に
知り合ったのではないかとされている。その時点ですでに、おそらく強硬派だった者も中にはいる。
容疑者の2人は兄弟同士で、1人は彼らのいとこだった。
ケンブリッジ・グループの1人とかつて友達だったという男性によると、このグループは「小さくて、
誰でも入れるというものではなかった」。イスラム過激派組織「ヒズブト・タフリル」(イスラム法の
下でカリフが治めるイスラム教国家樹立を目指す)に関係のある、思想的に相通じる人間しか、
仲間とは認められなかったという。ヒズブト・タフリルは、自分たちはテロ行為を支援していないと
コメントしている。
社会から隔絶した集団というこの様相は、ほかのテロ集団にも見受けられる特徴だ。アトラン氏によると、
ハンブルクの集団は「周りの社会から自分たちを切り離すことで、ジハード(聖戦)という架空の
世界を作り出した、激しく親密な仲間同士の集まり」だったという。
ロンドン同時多発テロの実行犯たちには、リーダーがいた。モハマド・シディック・カーンという
若い労働者だ。しかしほかの3人はいずれも、カーンの影響下に入る前からすでに、過激思想に
はまっていたとみられる。カーンとシェザード・タンウィアはパキスタンで、爆弾の作り方の訓練を
受けたとされている。しかし彼らが過激思想にはまったことと、パキスタンとは何の関係もない。
ロンドン同時テロの実行犯4人のうち3人は、イングランド北部・西ヨークシャーにあるリーズ市
南部の同じ地区出身だった。雑誌「プロスペクト」の先月号で、ジャーナリストのシヴ・マリク氏が
彼らについて調査した結果を記事にしていた。マリク氏によると、若い実行犯たちは、自分が
何者かという問題で苦しんでいたということになる。彼らは第一に、英国社会全般から
阻害されていた。この点については理解しやすい。しかしさらに(あまり理解されていないことだが)
彼らは同時に、自分の親たちの世代とも接点をもてずにいた。というのも彼らの親たちはカ
シミールの一地方出身で、その地域の部族的な習慣を行動規範としていたからだ。英国で
生まれ育ったテロ実行犯たちは、自分の親とも価値観を共有できなかった。この対立が
もっとも顕著に表れたのは、彼らと親たちの、結婚観の違いだった。親たちは、自分たちが
条件などを吟味した上での見合い結婚でなくてはならないと主張したが、息子たちは、
イスラム教のしっかりしたいい娘なら誰と結婚したって構わないだろうと信じていた。
とはいえ、イスラム主義者になることは、テロリストになることと同義ではない。ほかのあらゆる
要素をさておき、何よりも決定的な要因となるのは、チャンスだ。
>>3に続く
3 :
◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7cφ ★:2007/07/11(水) 12:58:29 ID:???
>>2から続く
米ウエストポイントのヘフェルフィンガー氏は、ニュージャージー州のフォート・ディックス陸軍
基地に攻撃を計画していたとして5月に逮捕された容疑者6人について、調査した。その結果、
どうやら容疑者たちは攻撃目標をかなり適当に選んだ様子だと指摘。というのも、グループの
ひとりがピザの宅配で基地を訪れたことがあり、基地の様子に詳しいから――というのが、
フォート・ディックスが選ばれた理由だからだという。「実行のチャンスがあったということ。これが
ほかのあらゆる動機に勝る、最大の動機だった」
こうした一連の研究や調査に共通するのは、ある人間がテロ行為に走るようになるには、複数の
原因があるという結論だ。特定の個人に限定される理由と、その人が感じている文化的な疎外感が
組み合わさった時、世界的な暴力運動に参加することこそ自分の求めていた答えだと確信する、
そういう若者がいるということだ。
しかし残念ながら研究者たちは、どういうタイプの人間がテロリストになりやすいのか、特定しようと
しない。「こういう人間がテロリストになる、などと最初から予測できるタイプなど、ない」。英国の
反テロ対策担当者のひとりは、こう断言した。
−以上−
意味がわからん、だれかサザエさんで説明して
5 :
七つの海の名無しさん:2007/07/11(水) 13:41:25 ID:X4urpjK7
俺のカァチャンはウェスト120センチ、までは読めた。
6 :
七つの海の名無しさん:2007/07/11(水) 14:27:18 ID:+4PXgz12
経済学者は分析は出来ても予測が出来ない、というのと同じだなこれ。
7 :
七つの海の名無しさん:2007/07/11(水) 14:35:43 ID:GoQ7pUdV
暴走族とか暴力団と一緒
テロリストの新聞での表記を
アナルファッカーとかドランクマーダーとでも変えれば良い
8 :
七つの海の名無しさん:2007/07/11(水) 14:42:55 ID:koBJX9Ci
結構面白いな
9 :
七つの海の名無しさん:2007/07/11(水) 14:48:26 ID:c/QthU09
長い
kureishi "my son the fanatic" だな
(1) グループと出会う(オルグされる)=最も可能性として大きい
(2) 過激な教義に没頭する=親との葛藤や社会的閉塞感から孤立、カルトにはまる
(3) まずは平和的に変化をもたらそうと努力する=NPOや宗教などで社会運動する
(4) 非暴力から暴力へと移行する=無力感が募って急進化、目立ちたい・社会に復讐したい、などの動機
(1) アフガン上がりのヴェテラン・テロリスト=米軍の訓練を受けたプロフェッショナル、希少
(2) 教育を受けた二世世代(英国医療係、911テロ)=アルカイダ(共鳴した同志の組織化)
(3) 社会的敗者(パレスチナ難民とか、先進国ゲットー住まいの移民失業者)
12 :
七つの海の名無しさん:2007/07/11(水) 15:02:01 ID:GoQ7pUdV
>>11 見るまでもなく私的な交友関係からオルグしてくのは
宗教にしろ政治にしろカルトだと常道
これはいい記事だな、さすがFT。
14 :
七つの海の名無しさん:2007/07/11(水) 16:04:12 ID:+4PXgz12
15 :
七つの海の名無しさん:2007/07/11(水) 20:59:59 ID:SJYoNxe2
16 :
七つの海の名無しさん:2007/07/11(水) 22:24:00 ID:vlRpfSjt
平和的変化をもたらそうとする段階なんてあるのか・・・・・・。
テロをする奴ってもっと狂人的な人間だと思った。
17 :
七つの海の名無しさん:2007/07/12(木) 00:08:55 ID:tVmnYSpi
善人が、一生懸命みんなの為に尽くして、身も心もボロボロになって、最後に、自分はどうなってもいいから敵を殺してみんなを助けよう!と自爆するんだろ。
「ここはオレに任せて、早く逃げろ!」とか「バルス!!」とかをリアルで真面目にやっている。
18 :
七つの海の名無しさん:2007/07/12(木) 00:16:08 ID:vlUXeP34
この分析が実態を捉えられているかどうかは分からんけど興味深いな
関係ないけど最近ゴルゴのIRAネタで友達に勧誘されて入る話を読んだ。
これって、結局、テロリストも普通の人間ってことじゃないの。
警察や軍隊みたいな、人為的に組織されたのとは違うってだけで。
映画シリアナで、貧しい出稼ぎ青年が自爆テロリストになる過程を
春描写のように描いてて言い知れぬ絶望感に泣いたよ。マジおすすめ。
ミスった。青春描写ね
22 :
七つの海の名無しさん:2007/07/12(木) 03:40:20 ID:P4UEBnkN
>>20 青描写って、何だかエロそうと思ったのは僕だけではないはず。