中東4首脳会談:パレスチナ・アッバス支持で一致も温度差
25日にエジプト東部シャルムエルシェイクで行われた中東4首脳会談で、イスラエル、
エジプト、ヨルダンの首脳は穏健派アッバス・パレスチナ自治政府議長の支援で一致した。
だが、自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの扱いには温度差も
みられる。和平交渉の早期再開を求める穏健アラブ諸国に対し、イスラエルが慎重な姿勢を
崩さないなど、地域の安定と和平構築に向けた関係国の足並みは一致していない。
イスラエルは「テロ組織」ハマスを弱体化するため、地盤のガザ地区を政治、経済、軍事的に
孤立させようと躍起になってきた。オルメルト首相は昨年から凍結してきた税収の定期送金を
再開するとアッバス議長に伝えたが、「ハマスのガザ支配を後押しするようなことには
使用しない」との確約を求められたと言われている。
エジプトとヨルダンは、ハマスの影響力が国内のイスラム原理主義勢力に及ぶことに
神経をとがらせている。こうした懸念が世俗的で穏健なアッバス議長の支持につながっている。
特にガザ地区と境界線を接する唯一の国エジプトにとって、ハマスが実効支配するガザ情勢は
深刻だ。ヨルダンも国境を接するもうひとつのパレスチナ自治区ヨルダン川西岸にガザの
混乱が飛び火することを恐れている。
だが、両国ともにイスラエルとその同盟国・米国の過激なハマス封じには慎重だ。エジプト
当局者はAFP通信に「イスラエルの(和平進展に向けた)怠慢がこの結果(パレスチナの
内部対立)を招いた。絶望は過激主義と暴力を招く」と指摘。ハマスの一層の孤立化よりも
むしろ、早期の和平交渉再開の方が重要との立場だ。ムバラク・エジプト大統領は
アッバス議長に対しても、ハマスとの早急な協議再開が必要との認識を示した。
アラブ諸国内にも温度差はある。サウジアラビアは今年3月、アッバス議長派ファタハと
ハマスを仲介し統一政府樹立を導いたが、今回の事態については傍観者的な立場を
貫いている。ハマスなどイスラム原理主義勢力を後押ししているイランの影響力拡大を
懸念するサウジにとって、「ハマスの失敗はイランの失敗でもあるからだ」(レバノン人評論家、
アリ・アミン氏)との指摘もある。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20070627k0000m030104000c.html 【パレスチナ情勢】ハマス抜きの中東首脳会談呼びかけ エジプト大統領 [6/21]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1182471103/